漢陽(ハニャン)大学で1960年に創設されたのが映画学科である。そして、その後に演劇映画学科に発展し、現在もその存在は広く知られている。漢陽大学の演劇映画学科の特徴は、ユニークな授業を取り入れて、演劇や映像に携わることを希望する学生が、創造性に富んだものに触れる機会を増やしていることだ。
芸能人のための入学枠がある
漢陽大学の演劇映画学科。基礎的な授業の多くは他の演劇専門学科と共通しているが、漢陽大学ならではの授業も多い。
たとえば、1年生はまず「言葉と文字」に関連した授業を受講する。演技をする上でも、脚本を書く上でも、国語である韓国語の基礎がしっかりしていなければならないという強い信念があるからだ。そこで、学生たちは高校で習った国語の発展形として、読み・書き・会話を徹底的に教え込まれる。
「なんで大学にまで来て韓国語を勉強するんだ」
そう不思議がる学生もいるようだが、将来を考えると欠かせない授業なのだ。
また、1年時には「独白」を重んじる授業も行なわれる。演技に対する基本的な理解を得るために、独白を通じて自我の発見と基礎的な表現方法を身につけるのが目的。この授業によって学生たちは、演技という芸術において「媒体は自分自身である」ことを認識するようになる。
他にも、演技者たるもの人間を知らなくてはならず、人間を知るためには歴史を知る必要がある、という考えから「人間と歴史」を関連づけた授業がある。このように、演技をめざす者でなくても興味をそそられるような授業が多い。
漢陽大学の演劇映画学科のさらなる特徴は、芸能人のための入学枠が設定されていること。この制度を活用して入学した俳優は多い。
毎年数人の入学枠があり、試験は面接が主。そのかわり、入学資格は厳密に審査される。たとえば、過去1年間でどれだけのドラマや映画に出演したか、そのときの役は主役だったか脇役だったか……そういった項目をすべて点数化し、一定の点数をクリアした俳優だけが入学資格を得ることができる。
かなり厳しい条件をクリアして合格しても、仕事が忙しくて学校に来られず、卒業できない俳優もたくさんいるという。
いずれにしても、漢陽大学出身の俳優を見てみると、イ・ヨンエ、チェ・ジウ、イ・ドンゴン、ソル・ギョング、ペ・ドゥナ、チャン・グンソクなど著名な俳優が多い。
構成=「ロコレ」編集部
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