韓国の地方を鉄道で旅しているときの話である。乗った特急列車は全席指定だった。指定席券を買って乗り込むと車内はガラガラ。指定された号車にはたった1人しか座っていなかった。 そこは私の席! たった1人の乗客。それはかなり高齢の女性だったが、私が車内に入ったときに、なぜかキョロキョロしていた。落ちつかない…
光海君を追放して、16代王・仁祖(インジョ)となった綾陽君(ヌンヤングン)。彼は王として大きな屈辱を受けることになってしまう。いったいなにがあったのだろうか。 ドラマ『華政』で仁祖を演じたキム・ジェウォン 王としての苦労 王になる前の綾陽君は、クーデターを成功させるほど卓越した戦略性と優れた統率力を…
韓国ドラマの面白さは、一体どこにあるのだろうか。まるで、漫画の世界から飛び出して来たような、美男美女が繰り広げるラブストーリー。そこに複雑に絡み合う運命の糸。毎回、何かが起きるドキドキ感。見始めたら途中でやめられなくなる。 写真=tvN『愛の不時着』公式サイトより ビッグカップル誕生におめでとう 『…
ドラマ『華政』で光海君を演じたチャ・スンウォン 朝鮮王朝15代王・光海君(クァンヘグン)は、10代王・燕山君(ヨンサングン)と同じく暴君として知られているが、彼の業績を見直そうという動きもある。果たして、光海君は本当に暴君なのだろうか。 光海君の活躍 光海君は、14代王・…
族譜の中身はこのような記述になっている 韓国のどの一族でも「族譜(チョッポ)」と言われるものが保存されている。この族譜は、一族の初代から現代の子孫までの系譜をまとめたもので、自分の出自を証明する重要な歴史的資料である。 王子の乱 先祖の1人に、620年前の王妃がいる。 朝…
朝鮮通信使の宿舎となった鞆の浦(広島県)の福禅寺 朝鮮通信使が来日した年を見てみると、順に1607年、1617年、1624年となっている。この3回の来日は、戦時中に日本に連れて来られた人々を帰国させることが主たる目的になっていて、「刷還使」という役割を担っていた。 使節の…
ドラマ『宮廷女官 チャングムを誓い』の第1回冒頭で、かつての王妃が毒をあおいで死ぬ場面がある。とても印象深いシーンだったが、このときの元王妃が廃妃・尹(ユン)氏である。彼女は、9代王・成宗(ソンジョン)の正室だった。とはいっても、側室から繰り上がったという経緯があった。 姑と嫁の仲は最悪 成宗の最初…
韓国を旅行するときは、バスがとても便利だ。各都市を結んでいる長距離バスが多く、便数も多くて料金が安い。かくしてバスに乗る機会が増えるのだが、そのときにビックリさせられることが多い。 バスの運賃は? 日本で地方のバスに乗ったときは、ごく平穏だ。本数こそ少ないものの、渋滞がないから時刻にわ…
江戸時代に士農工商の最上位にいた武士が死罪を命じられたとき、名誉ある死に方は切腹だった。腹を切り刻むわけなので、とてもむごいことなのだが、それが武士にとっては誇りを保てる死に方だった。一方の朝鮮王朝は、どうだったのだろうか。 賜薬と呼ばれた 1392年から1910年まで続いた朝鮮王朝。その時代に、高…
徳川幕府が朝鮮王朝との外交関係の再開を申し出ると、朝鮮王朝は最終的に2つの条件を対馬藩に通達した。1つは徳川家康自らが国書を提出して関係修復を願い出ることで、もう1つは、先の戦で王家の陵墓を荒らした犯人を突き出すことだった。 静岡市にある徳川家康の像 朝鮮王朝側の事情 対馬藩はあせっていた。早く朝鮮…