韓国南部の大都市の大邱(テグ)。この街から車で南に向かう。やがて低い山が見えてきた。どの山もお椀を伏せたように形がよく、木々も見事に紅葉して、秋の風景に彩りを添えていた。目がなごむ田園の景色を楽しみながら、友鹿里(ウロンニ)をめざす。そこは、日本武将の子孫たちが住む村である。 友鹿里の風景 沙也可の…
韓国東南部にある慶州(キョンジュ)は、7世紀に朝鮮半島を史上初めて統一した新羅(シルラ)の首都があった場所で、935年に新羅が滅ぶまでは朝鮮半島の政治と文化の中心地だった。それだけに、韓国随一の古都としてよく知られている。 郷校を彩る見事なイチョウ 仏国寺の再建は朝鮮王朝時代後期 慶州では、世界遺産…
朝鮮王朝の11代王だった中宗(チュンジョン)は1488年に生まれた。父は9代王・成宗(ソンジョン)で、母は貞顕(チョンヒョン)王后だった。中宗は『宮廷女官 チャングムの誓い』でもおなじみの国王である。 画像=韓国MBC『宮廷女官 チャングムの誓い』公式サイトより 赤いチマ岩の伝説 ◆中宗は、王子の時…
朝鮮王朝の王は、すべて李(イ)という姓を持った男子。本貫は全州(チョンジュ)である。この本貫というのは、一族の始祖の出身地のことで、その一族の流派を示す重要な身分保証となるものだ。わかりやすくいえば、朝鮮王朝の王は「李」という姓と「全州」という流派を持った一族ということになる。 初代王が育った場所 …
女優のイ・ヨンエも、「宮廷女官 チャングムの誓い」の撮影に際して、宮中料理研究院で神仙炉の作り方を学んだ。「神仙炉の場合、材料をただ鍋に入れるだけではなく、色彩や角度のバランスを考慮しなければなりません」と彼女は言っていた。 食文化に大きな足跡を残した イ・ヨンエはさらにこう言っていた。 「食材一つ…
朝鮮王朝時代、最も重視された王族の食事は朝スラサンと夕スラサンであり、国王が食べる際には常に3人の毒味役の女官が付き添い、料理は厳重にチェックされていた。それでは、どのような料理が常に提供されていたのかを見てみよう。 真髄は何か スラサンの基本構成は、ご飯、湯、3〜5種のスープ、2〜7種の主菜、そし…
現在の韓国料理の起源は、朝鮮時代の宮廷料理であると述べることは、言い過ぎではないと言えるだろう。宮廷で発展した調理方法は、最先端の技術として民間の厨房まで伝えられ、現在も息づいている伝統であることが確かである。 過度な食事量 民家では宮廷のような食材を使うことは難しい状況であったが、少なくとも「薬食…
現役兵として入隊したときの新兵訓練は5週間で、社会服務要員や義務警察の場合の新兵訓練は4週間である。いずれにしても、新兵訓練の一番最初には何をするのだろうか。5週間の新兵訓練を例に説明してみよう。 写真=韓国陸軍公式サイトより 最初は準備段階 新兵訓練の入所式は入隊日の午後に行なわれる。兵役では最初…
たとえば、友人と一緒に焼肉店へ行ったとしよう。韓国料理をよく知らない人は、焼肉店へ行っても「タン塩だ、カルビだ、ホルモンだ」と肉だけを食べ、さらに生ビールをガブガブと飲む。そうして「やっぱり韓国料理はうまいね」と頷いているのが普通のパターンではないだろうか。これではあまりにも肉料理に偏りすぎていて、…
韓国ではボランティアをはじめとした市民活動がとても盛んです。その理由として考えられるのが、儒教的な互助精神と宗教的な信仰心の二つです。それでは、具体的にボランティア活動の中身を見てみましょう。 NPOの広報大使 韓国では今でも儒教思想が根強く残っています。 儒教思想は、礼儀を重んじたり目上の人やお年…