仁粋大妃は息子の成宗(ソンジョン)がまだ10歳だったので、垂簾聴政(すいれんちょうせい)が必要でした。これは、幼い王の背後に御簾(みす)をたらし、その奥から摂政の人が重要な政治的決定をするというものです。 熱心な仏教徒 垂簾聴政を朝鮮王朝で初めて行なったのが貞熹王后です。ただし、貞熹王后は学がなくて…
仁粋大妃は、9代王・成宗(ソンジョン)の母親です。ドラマ『王と妃』(1998年制作)では女優チェ・シラが扮しました。2012年に韓国で評判になったドラマ『インス大妃』も同じチェ・シラが演じています。 王の母 仁粋大妃は、7代王・世祖(セジョ)の長男だった懿敬(ウィギョン)の妻でした。ここでは実家の姓…
朝鮮王朝の16代王・仁祖(インジョ)が食べるアワビの焼き物に毒が盛られていることが発覚したのは1646年1月3日のことだった。宮中は大騒ぎになった。それはそうだろう。王の食卓にのぼる料理に毒を盛るというのは、あまりに大胆な手口だった。 昭顕世子に続いて妻までもが…… すぐに犯人さがしが始まった。 「…
大ヒットした時代劇『雲が描いた月明り』でパク・ボゴムが演じた主人公のイ・ヨンは、歴史的には孝明(ヒョミョン)世子と呼ばれた。彼は果たして、どんな人生を歩んだのだろうか。 写真=韓国KBS『雲が描いた月明り』公式サイトより 18歳で国王の代理となる ◆孝明世子は23代王・純祖(スンジョ)の長男として1…
写真=韓国MBC『トンイ』公式サイトより ハン・ヒョジュが扮したドラマ『トンイ』の主人公。トンイというのはドラマ用にイ・ビョンフン監督が作った名前で、歴史上では淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏と言われている。彼女はどんな人生を歩んだのか。 出会ったときの逸話 ◆淑嬪・崔氏は1670年に生まれた。両親の…
女性の容姿にほとんど触れなかった「朝鮮王朝実録」が、張禧嬪(チャン・ヒビン)だけは例外的に美しき容貌を讃えている。それほど張禧嬪は美女であったのだ。そんな張禧嬪の人生を振り返ってみよう。 写真=韓国MBC『トンイ』公式サイトより 粛宗の長男を出産 ◆張禧嬪は1659年に生まれた。 ◆1680年に張禧…
かつて光海君(クァンヘグン)には暴君のイメージが付きまとっていた。しかし、近年になると「むしろ名君ではなかったのか」という再評価の動きが顕著になった。果たして、光海君は暴君だったのか。それとも名君だったのか。その人生を見てみよう。 写真=韓国MBC『華政』公式サイトより 15代王として即位 ◆光海君…
朝鮮王朝の11代王だった中宗(チュンジョン)は1488年に生まれた。父は9代王・成宗(ソンジョン)で、母は貞顕(チョンヒョン)王后だった。中宗は『宮廷女官 チャングムの誓い』でもおなじみの国王である。 画像=韓国MBC『宮廷女官 チャングムの誓い』公式サイトより 赤いチマ岩の伝説 ◆中宗は、王子の時…
朝鮮王朝の21代王の英祖(ヨンジョ)は、1694年に生まれた。父は19代王の粛宗(スクチョン)、母は側室の淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏だ(ドラマ「トンイ」の主人公)。異母兄は、粛宗と張禧嬪(チャン・ヒビン)の間に生まれた6歳上の景宗(キョンジョン)だった。 兄を毒殺した首謀者? ◆1704年、英祖…
朝鮮王朝の歴史は、初代王・太祖(テジョ)から16代王・仁祖(インジョ)までを前期、それ以降を後期と分けるのが基本である。そして、前期と後期では王が抱える側室の数がまるで違った。 後期に側室が減った事情 朝鮮王朝の前期は、王族の男子が多いほうが後継者が不足しなくていい、という考え方のもとで、王はやたら…