朝鮮王朝の21代王の英祖(ヨンジョ)は、韓国時代劇によく登場する国王だ。しかし、82歳まで生きて国王の中で一番長生きだったので、ベテランの俳優が演じることが多かった。そんな流れの中で、時代劇『ヘチ』で若き日の英祖を演じたのがチョン・イルであった。 息子は思悼世子 歴史的に、英祖はどんな…
朝鮮王朝の11代王だった中宗(チュンジョン)は1488年に生まれた。父は9代王・成宗(ソンジョン)で、母は貞顕(チョンヒョン)王后だった。中宗は『宮廷女官 チャングムの誓い』でもおなじみの国王である。 赤いチマ岩の伝説 ◆中宗は、王子の時代に晋城大君(チンソンデグン)と呼ばれていた。暴…
NHK・BSプレミアムで毎週日曜日午後9時から放送されている『ヘチ 王座への道』。主役のチョン・イルがヨニングン(延礽君)を演じている。このヨニングンは1724年に21代王・英祖(ヨンジョ)として即位する。 英祖はなぜ息子を? 朝鮮王朝で英祖といえば、1762年に起こった大事件で有名で…
金介屎(キム・ゲシ)は、女官でありながら強い政治力を持った女性だった。その一方で悪女としても知られている。いったい、彼女は女官としてどのような人生を歩んだのだろうか。 女官としての立場 幼くして王宮に入った金介屎。後に14代王・宣祖(ソンジョ)の側で仕えた。 宣祖は、側室から生まれた庶…
張緑水(チャン・ノクス)は、両班(ヤンバン)の父と妾の間に生まれた。妾の娘だった彼女は、生まれながらにして奴婢(ぬひ/最下層の身分)だった。彼女は成り上がるために奴生(キセン)になった。 歌と踊りに才能があった 張緑水の容姿は、特に優れていたわけではなかった。 しかし、歌や踊りにおいて…
本当に暴君? 朝鮮半島の南海に浮かぶ孤島の済州島(チェジュド)は、朝鮮王朝時代に流刑地として知られた。 ドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』でも、濡れ衣を着せられて済州島に流されたチャングムが、そこで医療を学んで再起をはかるというストーリーになっていた。 実際に済州島に流された人の中で身分が一番高か…
韓国で2019年の上半期に放送されて好評を博した時代劇『ヘチ』がNHK・BSプレミアムで放送される。チョン・イルが主演した傑作時代劇が日本でも大いに話題になるだろう。 一番輝かしい王位継承物語 日本での放送向けのタイトルは『ヘチ 王座への道』。全24話で、NHK・BSプレミアムで11月10日から放送…
悪女にならざるをえない事情 朝鮮王朝時代では、社会の隅々まで浸透した儒教の影響で、男尊女卑の風潮がとても強かった。 女性は親の遺産の相続権がなかったし、結婚生活では夫から理不尽に離縁を強制されても受けざるをえなかった。さらには、再婚の自由も奪われていた。 それだけではない。 女性は科挙の試験を受けら…
敬恵王女が生んだ子は男だった。彼女の元を訪ねた内官は、世祖(セジョ)が「男なら殺せ」と命じたこと、貞熹(チョンヒ)王后が「男なら私のもとに連れてきて」と言ったことを伝えた。熟慮した末に、敬恵王女は生まれた子を貞熹王后のもとに預けた。それが、我が子にとって最良の道だと信じたのだ。 極刑となった夫 本当…
11代王・中宗(チュンジョン)には3人の妻がいた。最初の妻は父が燕山君(ヨンサングン)の側近だったために離縁させられた端敬(タンギョン)王后。2人目の妻は12代王・仁宗(インジョン)を産んですぐに亡くなった章敬(チャンギョン)王后。そして、3人目の妻が文定(ムンジョン)王后である。 文定王后が王を毒…