朝鮮王朝で国王の正式な後継者のことを世子(セジャ)と言うが、国王の座を約束されていながら即位できなかった5人を取り上げてみよう。それは、李芳碵(イ・バンソク)、懿敬(ウィギョン)世子、昭顕(ソヒョン)世子、思悼(サド)世子、孝明(ヒョミョン)世子である。 生を奪われた3人 ◆李芳碵(イ…
ドラマ『イ・サン』の主人公は22代王の正祖(チョンジョ)である。史実で正祖は1800年に急死したのだが、韓国では「毒殺された」という説が有名だ。ドラマ『イ・サン』では毒殺の件はまったく触れられていなかったのだが……。 299通の書状 正祖が1800年に急死したとき、すぐに毒殺説が起こっ…
朝鮮王朝3大悪女の1人と言われる鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)は、幼い頃に貧しい家に見切りをつけて奴生(キセン)になった。彼女の優れた容姿は尹元衝(ユン・ウォニョン)の目に留まり彼の妾となった。この尹元衝という男は11代王・中宗(チュンジョン)の王妃だった文定(ムンジョン)王后の実弟である。 &nbs…
朝鮮王朝時代に王宮で起こった奇怪な事件として有名な「灼鼠(しゃくそ)の変」。この事件は韓国時代劇でも何度か取り上げられたが、どの作品でも文定(ムンジョン)王后と鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)が共謀して起こしたという筋書きになっていた。 世子の誕生日の出来事 「灼鼠(しゃくそ)の変」は1527年に起こっ…
写真=韓国KBS『雲が描いた月明り』公式サイトより 『雲が描いた月明かり』でパク・ボゴムが演じた主人公のイ・ヨンは、歴史的には孝明世子(ヒョミョンセジャ)のことだ。とても優秀が王子だったのだが、寿命だけはどうすることもできなかった。 見事な手腕 イ・ヨンという名前を持った孝明世子は、2…
朝鮮王朝の14代王・宣祖(ソンジョ)は1567年に15歳で即位した。1592年には豊臣軍による朝鮮出兵があり、朝鮮王朝は存亡の危機を迎えたが、戦乱は1598年に終結して宣祖は復興に力を入れた。 不安定な王座 朝鮮王朝が安定を取り戻すと、今度は宣祖の後継者問題が熾烈になった。 候補の筆頭…
自分より8歳も若い女性が母となったら、どんなふうに接したらいいのだろうか。そんな難題が生じて、光海君(クァンヘグン)の正室の柳氏(ユシ)はほとほと困惑してしまった。きっかけは、14代王・宣祖(ソンジョ)の再婚だった。 柳氏一族の没落 宣祖は、正妻の懿仁(ウィイン)王后が1600年に亡くなると、2年後…
NHK・BSプレミアムで放送中の『ヘチ 王座への道』では、主役のチョン・イルが若き日の英祖(ヨンジョ)を演じている。ドラマは、低い身分の血を受け継いだ「歓迎されない王子」が朝鮮王朝の政治を改革するまでを描いているのだが、果たして英祖とはどんな国王だったのか。 無慈悲な父なのか 朝鮮王朝で52年間も王…
NHKの総合テレビで日曜日の午後11時から放送されている『不滅の恋人』。このドラマの中で強烈な個性を見せるイ・ガンは、歴史上の世祖(セジョ)をモデルにしている。世祖とはどういう人物だったのか。彼の真の素顔を見てみよう。 野心家の二男 世祖は王子のときには首陽大君(スヤンデグン)と呼ばれていた。 最高…
1623年にクーデターを成功させて15代王・光海君(クァンヘグン)を廃位させた綾陽君(ヌンヤングン)。彼はすぐに16代王・仁祖(インジョ)として即位した。しかし、彼の在位中は苦労の連続だった。 他に例がない 仁祖といえば、歴史的には「何度も王宮から逃げ出した国王」という汚名が残ってしまっている。 彼…