■今回の作品で演じられた“イ・ホン”と“ハソン”という人物について紹介をお願いします。
ヨ・ジング:まず、ハソンという役柄ですが、彼は道化です。ハソンは何というか…とても肝が据わっている人物です。臆することなく王様や両班(ヤンバン)の真似をして、全力を挙げてお客さんを楽しませようとします。ハソンは姿形が王様と瓜二つなので、王宮に行って王様の身代わり役を務めるようになります。もう片方のイ・ホンは王様ですが、よく想像するような王の姿とは違って、とても危うく権力欲が強い人です。暗殺されるという被害妄想のせいで、おびえながら生きています。今までお見せできなかった僕の新しい一面を見せられる役柄ですね。
■一人二役はいかがでしたか?演技をしていて難しい部分などはありましたか?
ヨ・ジング:一番気を使ったのは2人が同時に映るシーンですね。1つの顔で2人を演じるのでどうやって違いを出すか…それが悩みでした。目つきで違いを出すために鏡を見ながら、いろいろと試行錯誤をしました。また、演技自体もそうですが、衣装や照明カメラの角度などスタッフの力を借りて、違いを明確に出せるように努力をしました。
■実際にご自身と似ている部分はありますか?“イ・ホン”と“ハソン”の二人のうちどちらに似ていますか?
ヨ・ジング:半分ずつ混ざっているかも。普段はハソンのほうに似ていると思います。友人と会うときも陽気ですしね。イ・ホンの一面もあると思います。暗いところが少しだけ似ているかもしれません。本当に少しだけですけど(笑)。イ・ホンにそっくりだったら危険人物ですよ(笑)。でも、イ・ホンに共感できる面もありました。イ・ホンは幼い頃から心に大きな傷を負っている人物なんです。両親の愛情を知らずに育ったことを考えると、イ・ホンが理解できるような気がしました。でも普段の僕は道化の時のハソンですかね。とても明るい性格で、エネルギーが満ち溢れている点が似ていると思います。
■出演オファーを受けたときの心境は?
ヨ・ジング:今までの時代劇と一番異なる点は、原作が別にあって、本作はリメイク作品だという点だと思います。原作の映画『王になった男』は僕も大好きなので、作品をリメイクすることについて、ものすごく悩みました。僕が演じてもいいのか?ちゃんと演じられるのか?確信が最初は持てなくて。でも、一人二役というのが気になっていました。原作を見ながらいつか一人二役を演じたいと思っていたんです。俳優にとっては魅力的な役柄なので、今若いうちに挑戦した方がいいだろうし、年を重ねればもっと挑戦しづらくなる、そう思って勇気を出しました。
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