【時代劇が面白い】国王の結婚式は国中がお祭騒ぎになった!

国王の結婚式は王宮の正殿で行なわれた

 

朝鮮王朝では、王室の結婚式のことを「国婚(クッコン)」と呼んでいました。この「国婚」には、王妃を迎える儀式、世子(セジャ/王の後継者)の妻を迎える儀式、王子が妻を迎える儀式、王の娘が嫁に行く儀式の4種類がありましたが、もちろん、王妃を迎える儀式が最高の格式で行なわれました。

 

6段階の儀式
王と王妃の結婚式の手順を説明します。
1.納采(ナプチェ)……王の使者が王妃になる女性が住む場所に行って、婚姻が決まったことを伝える儀式です。
2.納徴(ナプチン)……婚姻が決まったことを祝して王家が出した贈り物を、王妃になる女性が住む場所に届ける儀式です。

3.告期(コギ)……王家で吉日を選び、その日に嘉礼(カレ/王の婚姻や即位、世子の婚姻などで行なう礼式のこと)を行なうことを決めます。そして、その日時を王妃になる女性に伝えるのが「告期」です。
4.冊妃(チェクビ)……まず、王宮で王妃を冊封(さくほう/中国で皇帝が臣下に爵位や俸禄を与えること。朝鮮王朝でも王妃や世子を正式に決めることを意味していた)します。そのうえで、王家は王妃が住む場所に使者を出して、その場で冊封を伝える儀式を行ないました。

5.親迎(チニョン)……王が自ら王妃が住む場所に行って、彼女を迎えて王宮に連れ帰る儀式です。
6.同牢(トンネ)……王と王妃が先祖に結婚を報告し、祝いの膳を囲みます。そのうえで、二人は初夜をともにします。
以上の手順で「国婚」が進められますが、王と王妃の婚姻ともなると、数カ月にわたって国をあげてのお祭り騒ぎとなりました。いわば、庶民も心から新しい王妃の誕生を祝福したのです。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

 

コラム提供:チャレソ

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2020.04.20