「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.102 「国王の食膳はなぜ豪華だった?」

意外だった世宗の食生活

天災が起こったときは事情が変わった。
国王は意図的におかずの数を減らした。
あるいは、洪水や干ばつの被害が大きいときには肉を断って、庶民の暮らしを憂慮しているという姿勢を示した。このように、国王はいつも豪華な料理に囲まれていたわけではないのだ。
政治的な意図をもって国王が断食することもあった。それは、国王の命令に従わない臣下に抗議を示す意味合いがあった。

そんな「ハンスト」をよく実施した国王が4代王の世宗(セジョン)だ。彼はハングルを創製した最高の名君だが、かなり偏食だったとも言われている。
肉料理が好きで、そればかり食べているときも多かった。しまいには、30代で糖尿病を患って極端に健康を害した。
さすがの「名君」も食生活では暴飲暴食の「暴君」であった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2019.12.21