濃音
ハングルの子音には、以下のように濃音が5個あります。
ㄲ ㄸ ㅃ ㅆ ㅉ
上記の濃音に「ㅏ」という母音をつけて発音してみます。
ㄲ+ㅏ=까 (カ)
ㄸ+ㅏ=따 (タ)
ㅃ+ㅏ=빠 (パ)
ㅆ+ㅏ=싸 (サ)
ㅉ+ㅏ=짜 (チャ)
以上のように、カタカナで表記すれば「カ、タ、パ、サ、チャ」となる5つの濃音ですが、促音の「っ」が前に入っている感じで発音すればOKです。
例えば、「ッカ、ッタ、ッパ、ッサ、ッチャ」というような発音です。ネイティブの韓国人のように発音できなくても、「平音とは発音が違うんだ」という意識を持って口に出せば、徐々に慣れていきます。
息を出したり止めたり
康「韓国語には平音の他に激音と濃音がありますが、激音と濃音は日本語にはないわけですからね」
ウィ「韓国の人は激音などもあってお腹から発音する傾向があります。お腹に力を入れることで吐く息を強く出せるのですが、そうやって発音する激音というのは日本人にとっては話しにくいかもしれません」
康「激音や濃音はアクセントが強いですからね」
ウィ「激音というのは、強く息を出すことをイメージしながら発音します。濃音の場合は、息をこらえて音を詰まらせて発音します」
康「濃音は息をまったく出さないわけですね」
ウィ「息を出さないで『ッカ』『ッタ』という感じです。激音の場合は『カーッ』『ターッ』という感じです。そういう発音を最初は強く意識し、徐々に慣らしていくといいかもしれません」
康「たしかに、激音と濃音だと、息を吐きだすか息を止めるか、の違いがあって両極端ですよね」
ウィ「そうですね。激音と濃音のちょうど中間が平音になります。この違いを意識しましょう」
康「韓国ドラマを見ていて美人女優が激音の『カーッ』と言うときは、しびれますね。韓国語は激音や濃音があるからアクセントがついて言葉として美しい抑揚になりますね」
講師=ウィ・ソンジュン+康熙奉
写真左:康熙奉(カン・ヒボン)写真右:ウィ・ソンジュン(魏聖銓)
(写真右)ウィ・ソンジュン(魏聖銓)
1968年ソウル生まれ。1992年に来日し、学習院大学で日本語日本文学博士を取得。現在は法政大学をはじめ、多くの大学で韓国語を教えている。著書は『New!韓国語&会話』(右文書院)など。コラムニストとして日韓の文化の違いについても論じている。
(写真左)康熙奉(カン・ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人2世。韓国の歴史・大衆文化や日韓関係を描いた著書が多数。主な著書は『ヒボン式かんたんハングル』『韓流スターと兵役』『韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の歴史と人物』。
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