本日11時10分、韓国のソウル中央地方裁判所では世間を騒がせた俳優イ・ビョンホンの「5億円事件」の初公判があった。韓国らしく、驚くほど早い裁判だ。恐喝・脅迫未遂
の容疑者としてモデルのイ・ジヨンとガールズグループ「GLAM」ダヒが9月30日に韓国検察により起訴されていた。
では、今回の大胆すぎる「5億円」恐喝事件を時系列にまとめてみよう。
●7月1日(火)、俳優イ・ビョンホンは親しい後輩(クラブの経営者)から飲み会に誘われ、歌手「GLAM」ダヒ(21、女)とモデルのイ・ジヨン(25、女)を紹介された。2人は友人関係。その後、何度か飲食をともにする関係に。
●7月3日(木)、モデルのイ・ジヨンの自宅で飲み会。イ・ジヨンがワインを買いに外に出た際、イ・ビョンホンが歌手「GLAM」ダヒに「下ネタ」または「わいせつな話」を披露。「GLAM」ダヒはスマートフォンで撮影。5本の動画が撮影されたとの説あり。
●8月14日(木)、モデルのイ・ジヨンは、「ひとり暮らしのできる家へ引っ越ししたい」とし、「そうなれば二人っきりで会えるし…」など、イ・ビョンホンに家の購入を要求。これに対し、イ・ビョンホンは「もう会うのはやめよう」との携帯電話メールを送信。
●8月24日(日)、モデルのイ・ジヨンの仮名とされている「ハン」のSNSに、「soulmate」からのプレゼント写真が掲載。内容は高級化粧品セット。
●8月26日(火)、ハンのSNSに、「soulmate」からのプレゼントの写真が掲載。掲載「dragonbackワイン」はイ・ビョンホンが3月に海外でもらったプレゼントとの説。
●8月26日(火)、ハンのSNSに、「イ・サンタクロース」がプレゼントした「Hermesボディーローション」の写真が掲載。同製品は、昨年8月、イ・ビョンホンとイ・ミンジョンの新婚旅行のホテルでプレゼントされたとの説。
●8月29日(金)、ハンのSNSに、「soulmate」がプレゼントした「スマートフォン」写真が掲載。「B」に対し、「断言するが、あなたは最も完ぺきな人です。」との書き込み。
●8月29日(金)、モデルイ・ジヨンはイ・ビョンホンを自宅に誘い、流し台にカメラを仕込むなどの準備。計画していた「エッチなシーン」の撮影に失敗。外で待っていたダヒが入り込み、2人の女性は7月3日の動画をインターネット上に流出させるとして、イ・ビョンホンへ50億ウォン(約5億円)を要求。
●8月29日(金)、イ・ビョンホンは、「これは違うと思い」、脅迫の事実を所属事務所に相談、被害事実について警察に届けを出す。
●9月1日(月)午前、「GLAM」ダヒとイ・ジヨンが自宅近くで警察に検挙される。
●9月1日(月)午後、警察が女性2人の逮捕事実を発表
●9月1日(月)深夜、俳優イ・ビョンホンの所属事務所「BHエンターテインメント」がコメントを発表。
●9月2日(火)午前、2人の容疑者の中に、4人組グループGのメンバーで、リードボーカルのDであるとの説が広まる。
●9月2日(火)午後、容疑者2人のうち1人が、「GLAM」のダヒであるとの報道。
●9月4日(木)イ・ビョンホンの妻のイ・ミンジョン、フランスに出国。
●9月11日(水)、モデルのイ・ジヨンとイ・ビョンホンが交際中だったと容疑者側の弁護士が主張
●9月13日(土)、韓国のネットで、「ハンのSNS」がイ・ジヨンのSNSであるとの説が広まる。
●9月16日(火)、イ・ビョンホンの妻のイ・ミンジョン、韓国に帰国、実家に戻っているとの説も。
●9月22日(月)、イ・ビョンホンに対する「広告退出の署名運動」がネットで広がる
●9月23日(火)、イ・ビョンホンが被害者として韓国検察の調査を受ける。
●9月30日(火)、韓国検察がモデルイ・ジヨンと「GLAM」ダヒを起訴。
●10月16日(木)午前11時10分、「5億円事件」の初公判。被告のモデルイ・ジヨンと「GLAM」ダヒは、脅迫の事実は認めたものの、経緯に関してはイ・ビョンホン側とは違う出張をし、イ・ビョンホンが非公開の証人尋問の対象に。
韓国の法律で通常の恐喝罪の場合は、「10年以下の懲役または200万ウォン以下の罰金」だが、今回は未遂で終わったことで、最高刑よりは軽い求刑が予想されている。
起訴した韓国検察の発表によると、イ・ビョンホンと二人の女性はことしの7月に共通の知人のクラブ経営者の紹介で知り合い、何度か食事と飲み会を重ねてきた間柄。ところが、女性たちはモデルイ・ジヨンがイ・ビョンホンに異性として好かれていると判断し、遠回しに金品を要求するようになったとのことだった。
そして、最終的には隠し撮り映像を「オトリ」に、5億円もの大金を要求する行為にエスカレートしてしまった二人の女。
二人ともお金に困っており、特に「GLAM」ダヒは数千万円以上の借金を抱えていて、
家の購入を要求したとの事も発表されていた。
しかし、初公判では、被告は「イ・ビョンホンが先に連絡し、家を買ってあげるという趣旨の話をした」と主張した。
以上のように、警察や検察の捜査結果でもイ・ビョンホンに「法律的」な非や法律違反の行為はなかった。しかし、韓国の世論やメディアからは相変わらずイ・ビョンホンを「道徳論」で批判する声が続いている。もしも、モデルイ・ジヨンとの関係が一定以上の線を超えていたならば、ワールドスターの地位を消滅させそうな勢いだ。確かに、韓国にはまだ「姦通罪」が残っていることを考えると、無理もない。
韓国での非難世論の最大の理由は、イ・ビョンホンは既婚男性で、新婚生活を忠実でなければならない時期だったからだ。昨年女優イ・ミンジョンと結婚したばかりの彼にとっては致命的なイメージダウンになってしまった。
寛大な「性文化」を持ち「夜遊び文化」も進んでいる国で生まれたならば、問題はなかったはずだ。そして、数々の大物芸能人が不倫疑惑で現場写真を撮られながらも、芸能活動を続行しているという国も多い。
しかし、儒教の徳目「孝」の思想をベースに家族の絆を重んじる韓国では、既婚男性の夜遊びはタブーだ。さらに、歴史的に長い中央集権システムの下、厳しい階級社会の伝統もあり、上流社会に求められる高い道徳意識や上流社会に対する一般庶民たちの嫉妬にも根深いものがある。
そういう意味で、「生まれる国を間違えてしまった」と、笑って済ませたいところだが、
本人に対しては打撃が大きすぎる。すでに広告露出は徐々に減っており、年末公開予定だった新作映画は来年に延期された。
日本の渡辺謙とともにアジアの「ハリウッド俳優」という、英語が母国語ではない東洋人にとっては極めて高い壁も自力で突破したイ・ビョンホン。今回の大型スキャンダルによる試練もその力強い「一流俳優の突破力」で乗り越えてほしい。
WOW!korea提供