韓国で数々の重要な賞を獲得したドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』。脚本が本当に良かったが、同時にコン・ユの演技がすばらしかったことで傑作の仲間入りを果たした。実際、コン・ユは主人公のキム・シンを縦横無尽に演じ分けた。その多様なキャラクターを分析してみれば?(2018年のアクセス順位で1位になった記事を再掲載しています)。
特異な人物を演じる
私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)がコン・ユの演技を初めて見たのは、韓国で2003年に放送されたドラマ『スクリーン』だった。
このとき、コン・ユは人のいい青年を演じていた。
ドラマ『スクリーン』というと、新人のキム・テヒがいきなり主役で登場した作品。キム・テヒの話題が先行していたが、コン・ユの演技も印象的だった。
特別に個性的な役を演じていたわけではなかったが、俳優としての勘の良さを感じさせて好感が持てた。
あれから10数年。コン・ユは数々のヒット作に主演してトップ俳優として独特の存在感を放っている。今回の『トッケビ』にしても、コン・ユなくしてはありえない企画だったことだろう。
そのコン・ユは、『トッケビ』でキム・シンという特異な人物に扮している。
900年前の高麗の将軍であったキム・シンは、王に裏切られてから命を落としたが、剣が胸に刺さったまま死にきれないで現世までさまよい続けている。
キム・シンは、自分の胸に刺さった剣が見える女性を探して、それを抜いてもらえば安らぎの世界に行ける。
しかし、まだそういう女性に会えなかったので苦しみ続けていた。
そんな不思議な設定のキム・シン。俳優のコン・ユが演じるこの役は、3つのキャラクターに分かれていると思える。
その3つとは?
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