何度でも繰り返し見たい
さらに、コン・ユの言葉が続く。
「女性の視聴者の皆さんが好きなロマンチックな部分においては、本来の自分とはあまり似ていないかもしれません。その点は、脚本家の先生がその状況を上手に作ってくださいました。監督もとても美しく演出してくださったので、そんな面でも俳優としてさらに輝けたのだと思っています」
確かに、『トッケビ』の中でコン・ユは輝いていた。
彼の演技に対する評価も高く、韓国でも権威がある2017年百想芸術大賞・テレビ部門の男性最優秀演技賞につながった。
コン・ユの授賞式での発言が良かった。
「重くて大きい賞は、弱い私に対して、『しっかりせよ』『もう躊躇せずさまような』と言っているかのようです」
こう語って、コン・ユは『トッケビ』で演技を評価された喜びを語った。
何度でも繰り返し見たい珠玉のドラマ『トッケビ』。見るたびに、コン・ユの演技に魅了されて、心地よい余韻に浸ることができる。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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康熙奉(カン・ヒボン)著『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(実業之日本社)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。