Q.交渉家役のために髪もショートにしたんですよね。
ソン・イェジン:ロングヘアで、警察の制服を着る姿を想像してみました。髪を綺麗に束ねたり、お団子ヘアの姿も考えてみましたが、キャラクターの外見が気に入らなくて。誰も切るようには言わなかったけど、髪を切るしかないと思いました。外見的な変化が与える影響が大きいですから。映画の中のストーリーは12時間繰り広げられる内容なので、撮影した1ヶ月半の間、髪型をずっと整えなければならなかったんです。髪は早く伸びる方です(笑)。おかげで「交渉」の次に撮影した「いま、会いにゆきます」ではウィッグをつけて撮影しました。
Q.“リアルタイム 二元撮影(モニターを通じて会話する演技)”という独特な方法で制作されましたが、最初からそのような方法で撮影すると決まっていたのですか?
ソン・イェジン:議論をする過程で決まりました。制作チームでもやってみたことのなかった手法なので、とても心配したと思います。私も先が真っ暗でした。モニターで見える姿から、実際の声の震えや眼差しなどの微妙な変化が感じられないですから。そんな中で、極度の緊張感を撮影中ずっと維持しなければならないのも大変でした。
Q.不慣れな環境に他の時よりも敏感だったようですね。
ソン・イェジン:そうですね。セットに入っていることが嫌になったりもしたんです。体も使いながら感情を表現しなければならないのに、座って顔だけで演技する訳じゃないですか。とてもイライラしました。「ここは牢屋だ。撮影が終わったら、ここを出ることができる」という考えになるほど、心理的な圧迫がひどかったんです。セットから出られるお昼の時間が、その圧力から少しは抜け出せる唯一の時間でした(笑)。
Q.それほど辛い撮影だったら、やりがいもあったんじゃないですか?
ソン・イェジン:女優が悩めば悩むほど、観客たちが見る姿はもっと豊かになります。私は大変でも自らをもっと大変にするスタイルです。今回の映画を撮りながらも悩む時間を経験したけど、その時間が辛いだけではありませんでした。私も疲れた瞬間がありましたが、新しい技法で撮影したということ、また新たな素材のストーリーを観客に披露したという点でやりがいを感じました。
Q.俳優ヒョンビン氏と共演する作品は今回が初めてですね。どうでしたか?
ソン・イェジン:撮影しながらも、大きなスクリーンで見たときも、ヒョンビンさんが台詞一つ、動作一つにたくさん悩んだということが感じられました。シナリオの中でテグは悪辣な感じが強かったけど、ヒョンビンさんがずっと多彩に演じていました。テグから意外性を感じるようにした点も魅力的でした。映画を見た後に、「今まで演じたキャラクターの中で一番良かった」とヒョンビンさんに言いました。
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