「コラム」やさしく覚える初級ハングル 第2回・リエゾン

冬ソナが教科書

ハン「発音上の韓国語と日本語の違いを言うと、韓国人は日本語の『ツ』が発音できない。なぜならその言葉は韓国にないから」
グル「そうですね。一番近い音でも、『チュ』しかないですよね」
ハン「逆に、日本人が韓国語で発音しづらいものは、子音で終わるパッチム。なぜなら、日本語はかならず母音で終わって子音で終わらないから」
グル「それでは、韓国語のヒアリング能力を高めるためにどうしたらいいんですか」
ハン「まず、いろんな韓国語入門書に付いているCDを聴くという方法もあるが、語学の学習というのは根気がいるものなので、なかなか続かない。それを続けるためには、とことん興味が持てるものを教材に使うことが肝心。仮に『冬のソナタ』が好きだったら、『冬のソナタ』の全20話を繰り返し見るだけでも、かなりヒアリングの能力が高まると思う。反対に、『宮廷女官チャングムの誓い』は時代劇だから、かなり難しい」


グル「日本の時代劇も語尾や言い回しが独特ですよね。それは韓国の時代劇も同じです。今は使われていない単語もかなり出てきます。その単語の解説が画面上に出るくらいでした。韓国人でもわからない単語を外国人が聞いても絶対にわからないですよ」
ハン「韓国ドラマの中でラブコメディも、早口でいろんなことを言うから、日本人からみたら、多少言葉を知っていても難しい」
グル「そうですね。ラブコメディには特にスラングみたいな言葉が多いんです。新しく作られた流行語みたいなのも頻繁に出てきますし、それは聞いていても、ちょっとわかりづらいですね」
ハン「それに比べると『冬のソナタ』は正統的な言葉の言い回しが多いし、みんなゆっくり喋っている。ユン・ソクホ監督のドラマは早口ではなくてゆっくり喋ってくれるし、純粋な愛を語る言葉というのはテキストとして適している」
グル「恋愛ドラマは、込み入った表現はしていないですよね」
ハン「これが不倫になると、お互いに男女の愛憎が入り乱れて火花が散るような言葉の応酬になる。それから韓国人に悪口を言わせたら、世界でこれほど過激な言葉はないんじゃないかと思えるくらい。そんな悪口も、『冬のソナタ』にはなかった」
グル「本当にきれいな言葉が多かったですね」(ページ4に続く)

2017.10.29