「合同インタビュー」名匠イ・チャンドンが認める新鋭ユン・ガウン監督、少女たちの成長物語を描く「わたしたち」の撮影秘話を語る!

-本作で、自身の体験を描かれましたが、それはつらい作業でしたか? それとも乗り越えるための貴重な機会でしたか?
どちらも該当すると思います。だいぶ昔のことであるし、長い時間をかけて過去を清算、整理したいと考えてきたので、そろそろ外に話してもいいかなと思っていたんですが、思っていたより、つらい瞬間も多く、そのたびにスタッフ、キャストに力をもらいました。でも、結果的にその過程を通じて、さまざまな視点で、自分の過去を振り返ることができて、良い経験になったと思います。



-子供たちの生き生きとしたリアルな演技が目を引きます。オーディションで出演者を選んだということですが、主要キャストとなるソン役チェ・スインさん、ジア役ソル・ヘインさん、ボラ役イ・ソヨンさんを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
最初の頃は個人的に会って、その後グループオーディションを繰り返しながら絞っていったので、4、5次オーディションまでしたと思いますが、まず私にとって、一番重要な人物はソンでした。ソンが決まったら、ソンと対比しながらも、似ているような同一感を抱けるジアが必要で、その次にボラという順番で決めていきました。
チェ・スインはとても内向的で口数も少なく、物静かでした。でも、何かを表現したいという意欲があり、演技スクールに何カ月か通っている優等生のような子でした。とても印象的だったのは、5、6人のグループオーディションのとき、オーディション前まで自由に遊ばせていたら、他の子たちは携帯電話でアイドルの音楽をかけて、それに合わせてダンスをしたり、「その服あそこで買ったんだね」「そのリップ、どこのだね」とかおしゃべりをしながら、すぐに仲良くなっていたんですが、スインだけはポツンと、その状況を静かに見守っていたんです。どう話しかけたらいいのか言葉を選んでいるようでした。それに、他の子たちは、監督である私に気に入ってもらおうと、いろいろアピールしてきたんですが、スインはそういうことがなく、私のほうから「ダンスしてみる?」と声をかけても、「アイドルのこと、知らないから」という感じで。私によく見せなきゃいけない場面なのに、彼女は彼女としてしっかり存在していたんです。それが、演技にも反映され、一瞬で役になりきることができたし、状況に応じて、それを演技で見せられるのがとても印象的でした。
ジアは、ソンを静かなスインに決めたので、おしゃべりで誰とでも仲良くなれる社交性のある子というキャラクターにしようと考えていたんですが、ソル・ヘインに会ったとき、彼女はシックな感じで、中性的な魅力というか。声もハスキーで、ボーイッシュな感じがしたし、サバサバと友達と接して、みんなを魅了する子だったんです。そんな彼女の魅力がこの作品に加わったらいいなと思い、ヘインに決めました。
ボラはマドンナ的なところがあって、いい子で優しい優等生というキャラクターです。イ・ソヨンと話していたら、もし私が同じクラスだったら憧れるし、友達になりたい子だなと思ったんです。それで、彼女がボラ役を演じれば、クラスのみんなが彼女を好きで、人気があるという設定にもなると思ったので、ソヨンを起用しました。

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2017.09.18