普段から韓国映画を観ており、「息もできない」が一番好きな韓国映画だという東出昌大は、全シーン、全カットに魅了されたという。そんな東出昌大の言葉にヤン・イクチュン監督は、「本当にありがたいです。この映画のシナリオを書いたのが2006年になるんですけど、シナリオを書き撮影して、自分で演技をして、演出もしたというのが、夢のような気がして現実感がなかったのですが、今日この会場に来て、東出さんと観客のみなさんにお会いしてやっと現実感が湧いてきました」と気持ちを伝えた。
ヤン・イクチュン監督は、東出昌大の俳優デビュー作であり、韓国でも公開されていた映画「桐島、部活やめるってよ」を観たとし、東出昌大の演技について、「何かをあえて表現しようというのではなく、無表情な中にもすごく重みの感じられる、そんな演技が印象的でした」と述べた。
そして「私もあと10㎝身長が高ければ、かっこよく東出さんみたいに表現できるんじゃないかなと思います(笑)」と会場を笑わせた。
東出昌大の「息もできない」の脚本はどのように書いたのかという質問に、まず真っ先に書いたのが、蛍光灯を割ったり、自分が助けた女性に唾を吐いたりするオープニングのシーンであり、福岡県のある人口湖のところで浮かんだものだと語った。短編映画の演出をしている友人から出演依頼を受け、福岡に10日ほど滞在した際に、空いた時間で町を歩いていたら、あるおじいさんは釣りをしていて、その側では鶴が飛んでいたりと、非常に平和な光景が見られたが、その中でなぜかあのようなシーンが浮かんだと振り返った。(3ページに続く)