◆ 「TOMORROW」
「Jump」と同じアルバムに収録された。やはりSUGAが練習生の時に作った曲で、導入部でカッティングしたボイスサンプルが与えるグルーブが耳を捕らえる。特にVのパートではノイズを加えて夢幻な雰囲気を漂わせ、これに静寂なピアノ演奏で粹な雰囲気も加えた。SUGAの最初のボルス(verse) ラップパートの歌詞をはじめとして、当時20代に入ったばかりの防弾少年団が生に対する責任感について尋ねる歌詞は聴く人の共感を引き出す。また、曲の最後でJ-HOPEのラッピング部分で弾けるようなギターサウンドが曲の緊張感を最高に生かしている。
◆ 「LET ME KNOW」
防弾少年団の1stフルアルバム「DARK & WILD」(2014)に収められた曲だ。当時、アルバムリリース前に先行公開曲でファンに先に出会った。それほど高い完成度を誇った。SUGAが作詞と作曲をして録音のディレックティングと全体のプロデューシングまで全て担当し、歌詞は別れの後の後悔を描いた。PB R&Bジャンルで切ない悲しみを夢幻的な雰囲気で表現したのが印象的だ。このためにSUGAは、ボーカルメンバーの音色によってパートを構成したようだ。美声を誇るジンとジミン、ジョングクのパートに中低音のトーンを持つVのパートが適切に配置されて曲の感性を最大限に生かした。
◆ 「Agust D」
SUGAが、「Agust D」という名前で初めて出したミックステープ「Agust D」(2016)のタイトル曲だ。導入部の雄壮なドラムで始まる強烈なビートと華麗なサウンドで固めている。「アイドルラッパー」としての自負心とスワッグを感じさせる歌詞が印象的だ。特に、SUGAの独特な速射砲のようなラッピングと強弱を自由自在に調節する能力が引き立つ曲だ。
◆ 「The Last」
やはりSUGAのミックステープ「Agust D」に収録された曲だ。「よく売れているアイドルラッパー、その裏面」を歌った。SUGAが書いた防弾少年団の音楽とは確実に違った雰囲気だ。より荒々しくストレートだ。このために楽器の構成は最小限となり、SUGAの声を強調している。導入部で諦めたように吐き捨てるラッピングは、曲の後半部に向かうほどに感情とエネルギーを惜しみなく爆発させて聴く人を集中させる。
◆ 「SO FAR AWAY」
ミックステープ「Agust D」の最後のトラックであり、「今日酔えば」の主人公SURANがフィーチャリングした。「青春」という視線で見つめる夢と現実、そして未来などをテーマにしている。SURANの感覚的なボーカルが夢幻的な雰囲気を醸し出し、曲の後半部に行くほど豊かになるギターサウンドが劇的な雰囲気を加えている。「君の位置がどこであろうと寛大でいよう。結局試練の終りは満開だ。始めは小さくても終りは栄えるだろう」という歌詞で希望のメッセージを伝えている。
10asia+Star JAPAN http://10asiajapan.com/