王宮に流れた毒殺の噂
趙氏は昭顕夫婦と仲が悪かった。
清にかぶれてしまった昭顕に対して、仁祖が強い猜疑心を抱いたことを趙氏はよく知っていた。
そんな趙氏が李馨益に毒鍼を打たせた可能性は、かなり高かった。
あるいは、仁祖自身が命令して趙氏が裏で動いたのかもしれなかった。
いずれにしても、王宮の中で「李馨益が鍼に毒を塗って昭顕を殺した」という噂が広まった。
すかさず動いたのが、官僚の不正を糾弾する役所の司憲府(サホンブ)だった。
調べれば調べるほど、司憲府は李馨益に強い疑いを持った。そこで、本格的な調査に乗り出したのだが、急に上からストップがかかった。(3ページに続く)