娘の幸せを願いながら
貞明公主の境遇は、光海君が王位を追放されてから劇的に変わった。
彼女は幸せな結婚をして、立派な屋敷を用意され、しかも、大地主になったのである。これもすべて、仁祖が仁穆王后のご機嫌を取るための配慮のおかげだった。
仁穆王后にしても、最愛の息子の永昌大君(ヨンチャンデグン)が8歳で光海君の一派に殺されてしまったが、その後の生き甲斐になっていた娘の貞明公主が恵まれた生活を享受できるようになって、心からホッとした。
「いつまでも、この幸せが続くように……」
仁穆王后はそう願いながら、1632年に世を去った。
享年48歳だった。
このときから、貞明公主は冷たい北風を浴びるようになった。仁穆王后がいなくなってから、仁祖の態度がガラリと変わったからだった。
(第7回に続く)
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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