後世の人たちの評価はいかに?
時間が経てば、心境にも変化が生まれる。
「もし尹氏が反省しているならば……」
成宗は尹氏のことが気掛かりだった。
そこで、成宗は使者を送って尹氏の生活を覗かせた。反省の意思を示せば、尹氏を王宮に招き入れて生活の面倒をみようと思っていたのだ。
実際に使者が行ってみると、さしもの悪女も塩らしくしていた。生活自体も、元王妃とは思えないほど質素だった。
使者は自分が見た通りを成宗に報告しようとしたのだが、その途上で仁粋大妃につかまり、偽りを強要された。
「あの女は反省もせず、いつか恨みを晴らすと根に持っていました。そう報告せよ」
逆らえば命がないと怯えた使者は、仁粋大妃の言うとおり成宗に伝えた。
偽りの報告を真に受けた成宗は、尹氏を王宮に戻すどころか、逆に死罪を言い渡した。かくして、尹氏は毒を仰いで死ななければならなくなった。
それは、姑の仁粋大妃の策略のせいでもあった。
尹氏も悪女だが、仁粋大妃も同類だったといえるかもしれない。
果たして、朴槿恵大統領は後世の人たちから歴史的にどんな評価を受けるのだろうか。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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