Q.今回の横浜公演ではウスナビ役が4人、ニーナ役のキャストが2人いますが、「他のキャストとはここが違う」というところをアピールしてください。
ルナ:ニーナとは私自身との歳も近いので、無理にキャラクターを作り上げるのではなく、自分なりのニーナを演じています。Wキャストでニーナを演じるチェ・スジンさんとも色々話し合ったりしました。私は歌手なので、歌唱法がミュージカル俳優の方々とは少し違うと思うんですが、それを特徴として活かしています。
ヤン・ドングン:SHINeeのKeyの場合は日本でも知られているアイドルなので、彼を観に来る人は多いと思うんですが、キャラクターへのアプローチの仕方も深さも年齢も彼とは違います。ひとつのキャラクターをみんなで作り上げるというより、演出の方はそれぞれに合ったウスナビを作ってくれました。セリフも全然違います。なので、深みのあるウスナビを観たいという方は僕を観に来てくれたらいいんじゃないかな。
Q.演出のイ・ジナさんは稽古が厳しいことでも有名ですが、実際に一緒に作品を作られていかがでしたか?
ヤン・ドングン:カリスマがある演出家だと聞いていたのですが、厳しいと思ったことは1度もありません。ラップの歌詞を自分で韓国語に翻訳するのにとても苦労したのですが、その時も「気楽にやりなさい」と言ってくれましたし、衣装も自分に合うように稽古の時に履いていた半ズボンや自前の靴を採用してくれました。本当に良い演出家だと思っています。
ルナ:彼女は実は私の大学の先生で、とても若い頃からお世話になっているんです。大学ではとても厳しい先生だったんですが、社会に出てからは私を俳優として扱ってくれたのでとても感動しました。私が俳優として成長できるように道を示してくれる、お母さんのようなお姉さんのような、私にとっては演出家以上の存在です。
Q. 改めて「イン・ザ・ハイツ」という作品の魅力を教えてください。
ルナ:「イン・ザ・ハイツ」ではポップソングをはじめとする様々なジャンルの音楽が調和していることがまず素晴らしいと思います。ラップも歌詞がしっかりと聞こえて、それを演技としてちゃんと表現しています。ニーナはドラマチックなポップ調の歌が多いのですが、それが作品全体に溶け込んで最高の舞台に仕上がっていると思います。
ヤン・ドングン:最近の韓国のミュージカルは、照明や演出が派手で内容は残忍で刺激的なものが好まれていて、もしかしたら韓国の人はそういう非日常を求めているのかもしれません。でもこの「イン・ザ・ハイツ」という作品は舞台装置も簡素で、ストーリーにも残忍さや刺激的なところはありません。とても温かいミュージカルです。愛すべき街の人々みんなが夢を持っていて、軽快な歌で肯定的なエネルギーを感じられる作品になっています。
Q.今回の公演が行われる横浜という街の印象を教えてください。
ルナ:横浜には初めて来ました。美しい街だと聞いていました。前回公演をした渋谷はとても派手で賑やかな街でしたが、ここはとても心休まる場所で舞台の準備をするには良い環境だなと感じました。
ヤン・ドングン:横浜は街の景観がとても美しいですね。一番印象的なのが劇場の目の前が港だということです。このミュージカルは移民を扱った作品なので、海外での公演ということと目の前に港があるということで、さらに深く感情移入できるんじゃないかなと思います。
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