「オフィシャルインタビュー」イ・サンウ「お願い、ママ」“母親なしにこの世に生まれた人は一人もいません”

_LF29891
「お願い、ママ」イ・サンウ、オフィシャルインタビュー

 

— 今回の作品のキャスティングのきっかけを教えてください。
監督から連絡が来まして、監督と作家、事務所の社長、そして私、4人で打ち合わせをしました。作品に対してはシノプシスと台本はすでにいただいた状態でした。監督からは「今まであまりにも落ち着いて、物静かな役をたくさん演じて来たので、今回は軽やかで軽快な役を演じてみれば」といわれまして。僕もそれに同感してやってみたいとおもいましたね。簡単ではないとは思うけど、とりあえずやってみようと思いました。

 

制作発表会見で、これまで重みのある役が多かったが今回は軽やかで明るい役なので気に入ったとおっしゃっていますが、演じてみていかがでしょうか。
100%満足はできませんね。まあ、すべての作品が同じですけど。でも、今回の役柄によって周りからは明るくなったといわれましたね。共演した先輩たちからも「サンウ、声が元気いっぱいだね」といわれました。(笑) フンジェ役によって、自分を少しさらけ出せた気がしますね。こうやって自分自身を気取らず、飾らないことによって、また今度重みのある演技や真剣な役もまた演じられると思います。そういう意味でも必ず僕には必要な作品だったと思います。それで、演じてよかったと思いますね。完ぺきには満足できませんが、続いて作品に出演できる原動力にもなったと思います。

 

— フンジェのように、実生活でもお母さんに愛嬌を振りまいていますか。
実際の僕はまったく愛嬌を振りまかないですね。だから、ある意味、この役が自分にとって難しかったかもしれません。僕に少しでもフンジェと似てる性格があればよかったんですが…(笑)。特にドラマの序盤で母親のキム・ミスクさんとのやりとりが結構大変でした。前の作品でも義理の母役で共演したので、割とキム・ミスクさんには馴染みがある状態だったのにもかかわらず・・・。もちろん、フンジェが育った背景からすると、彼に共感はしましたけど、僕とは結構違う部分が多かったです。
僕の母親には常に心だけでは感謝しています。でも、母親や家族には優しい気持ちだけでなく、行動でも表すべきだと。今回の作品を通じてたくさん感じました。

 

— フンジェはお母さんにとてもつくしていますが、ストレスはたまらないのでしょうか。
フンジェは母親につくすことでストレスは受けてないと思います。母親の社会的な地位からすると、母親に頼ってもよいのに自立してるフンジェがすごいと思います。母親の力を借りればもっと良い車、良い暮らしができるはずなのに、彼は思考までも正しいんです。反面、母親はそんな息子のフンジェが気の毒で、何とか財政的な面などでいろいろ援助しようとしますが、むしろそんな母親の援助が彼にとってはストレスだったんですね。そんなフンジェを理解するのが大変でした。(笑)

 

代表の息子だということを隠した気持ちが視聴者にはよく伝わったと思いますが、もし実際に自分と非常にかけ離れた人を好きになったら、やはり自分の正体を隠してしまうと思いますか。
僕だったら自然に話したと思います。あえて自分の正体を明かす必要も、隠す必要もなく、話すタイミングになれば自然にですね。ただ、ドラマですので、すぐ明かしてはドラマが成立しないじゃないですか。どうしても自分の母親が彼女の会社の社長であることを言えるタイミングをドラマが作ってくれないので。(笑) それに、もしフンジェがすぐ話してたらドラマの話数も減ったと思います(笑)。

 

正体を隠してしまった点以外ではフンジェは恋愛には非常に積極的だし、正直だと思います。ご本人の性格も、同じでしょうか。
僕は真面目で正直ですが、積極的ではないです。(笑) 人間ならば一つ二つ足りないところがあるのが自然だと思いますが、フンジェは100%完ぺきに近いですから、理想的だけど、むしろそれが短所でもありますね。もう少し人間臭さがあれば、僕にとっては親近感を持てたのになぁと思ったりします。
もちろん、視聴者の皆さんには劇中の人物でファンタジーを与えたり、微笑ましいと思わせるのが望ましいですけど。 そして、フンジェは仕事も、義理の母にも、好きな女性にも、自ら積極的によくしてあげますね。
何一つ足りない部分がないので、魅力が少し半減したかもしれません。僕は人に接するときも、演じるときも、真面目ですけど、積極的にはなれませんでした。恋愛もそうですが、カン・フンジェのように積極的にはなれなかったです。ドラマに出演してまた一つ学びましたね。(笑) 母親に対する態度や愛する人に対する態度、毎回ドラマを通じてたくさん勉強しています。_LF29872

 

フンジェは閉所恐怖症など、心に傷を抱えていますが、それをどう演じようと思われましたか。
閉所恐怖症を間接的に体験するためにわざわざそのような空間に入ってはないです。(笑) 想像するだけですね。人はそれぞれ何かしらトラウマを抱いてる場合が多いじゃないですか。たとえば、ある食べ物に対して悪い記憶があると食べられないとか、鋭い角とかに対する恐怖症とか、いろいろあると思いますが、僕には特別なトラウマはありません。たまに周りにトラウマで苦労してる人を見ると、僕の立場からするとぜんぜん大丈夫なのに、その人にとっては恐怖そのものなので、漠然ですけど、その状況を思いながら演じたと思います。
トラウマではないですが、僕が一番恐怖感を感じるのは、作品出演が決まってから、撮影入る1~2ヶ月前から初撮影に入る日まで、とてもつらいですね。美味しいものを食べても味がわからないし、遊びに行っても遊べないし、旅行に行ってもぜんぜん気持ちに余裕がないし。もっと気楽に思わないといけないなと思います。

 

もし実際に好きな女性との交際を家族に反対されたら、どう説得するでしょうか。
そうですね。僕が好きな相手の長所と魅力を家族にアピールすると思います。僕が好きと感じた理由を伝えて、その人が持ってる良いところをたくさん話します。反対する理由に集中せずに、家族皆がその人の長所に気付けるよう僕もひたすら努力すると思います。

 

ヒロイン役のユジンさんとはよくお似合いですが、どんな方でしょうか。ヒロイン役のユジンさんとのラブラインが大きな反響を呼んでいますが、 印象に残っている、またはご自身でも「これはときめくなぁ」と思ったラブシーンはございますか?
ユジンさんはちょうどこのドラマに入る前に実際にお母さんになったし、撮影現場にもお子さんを連れてきたこともあって。シングルのときのユジンさんのことは知らないですが、彼女が母親だからか、より逞しくてとても良い人だと感じました。母親ならではの強さがありますね。仕事に向ける態度もとても素晴らしいと思いました。
もともとお酒はあまり飲めないらしいですが、飲めない人は普通飲めないと飲みの席に行かないか、雰囲気も読めない人が多いと思いますが、ユジンさんはそのへん周りに対する気配りがありましたね。

フンジェとジネのシーンで、もっと切ないさがあっても良かったなと思います。二人とも忙しくてあまり会えないので、朝、つかの間だけど、二人がデートするシーンがありますが、そんなものがもっとあればよかったですね。
ただ、週末ドラマだし、劇中登場するカップルとのバランスもあるので、あまりこの二人のラブシーンだけが取り上げられなかったと思いますね。フンジェがジネの家に下宿する時、夜に内緒で二人が中庭で会うシーンも良かったですね。

 

さまざまな世代の恋愛が描かれますが、誰に一番共感しますか。
共感したというより、好きだったカップルはキム・ガプスさんとコ・ドゥシムさんの夫婦ですね。この二人の愛がとても現実的にも共感できました。あんなに長い歳月を共に過ごしたのに、嫉妬する感情もとても可愛いと思った。ドラマでは描かれてないけど、キム・ガプスさんが演じるイ・ドンチュルは、今は妻に絶対的に従う旦那を演じますが、以前はたぶん“悪い男”で相当亭主関白だったと思います。年をとって二人の立場が逆になったけど、それがむしろ男女関係においてはバランスだと思います。

 

非常に高い視聴率を獲得している理由はどんなところにあるのでしょうか。
分析的に考えてみると、母親役のコ・ドゥシムさんの病気が発覚してからさらに視聴率が上昇しましたね。前は母親に冷たく接して、母親はいつも側にいてくれると思ってその大切さに気付かなかったのに、実際病気になった母親を見て、やっと気付いて悔やみますけどね。もっとやさしくすれば良かったと。このことは誰もが経験することだと思います。だから視聴者の皆さんも共感したと思います。ドラマでは赤裸々に表現したり、あまりにも劇的な状況を作り出した部分はあると思いますが、見ててたくさん感じて気付いたから視聴率が上がったと思います。

 

現場の雰囲気は?
現場の雰囲気が良いドラマは視聴率が高いという公式は成立すると思います。もちろん、視聴率が低いドラマは現場の雰囲気が悪いという公式は成立しませんよ。
スケジュールから何から何まですべてが上手く折り合って。一度もトラブルとか、俳優の間で揉め事もなかったです。あんなに長い時間の間。
「人生は一度きりだから、その時間も無駄にせず、楽しくやりましょう」と監督がドラマが終わるまで何度も話していました。本当に楽しく仕事しなきゃと思いました。その言葉に感動しましたね。本当に大事だと思います。
このようにインタビューを受けている時間もまた、僕の人生においては一度きりの瞬間ですから。

_LF29835

今後チャレンジしてみたい役柄はありますか。
今までは御曹司や裕福な役を主に演じてきましたが、時代劇の王様も演じてみたいですね。あと、とても貧しくて食べものがなくて落ちているものも平気に食べられる、どん底な人生を一度も演じたことがないので、そのような役もやってみたいですね。家がなくて、外で新聞紙などをかけて寝るとか。

 

これからご覧になる日本の視聴者へ見どころとメッセージをお願いします。
このドラマは最後の最後まで見ないと面白くないので、途中で見るのをやめるのなら初めから見ないほうがいいと思います。(笑) 冗談です。誰にもお母さんに対する郷愁や思い出があるので、母親なしにこの世に生まれた人は一人もいませんから。母親に対してもう一度考えて、感じる機会になると思います。
母親に良くしてあげたい、いや父親にも、ですね。

 

インタビュー写真:Kim Hee Jin(STUDIO ZIP)

 

お願い、ママ_DVD-BOX1

「お願い、ママ」DVD情報

DVD-BOX1~4 (全4BOX:各11枚組)
BOX1発売日:2016年6月2日(木)
※以降順次発売(BOX2:7月1日|BOX3:8月2日|BOX4:9月2日)
価格:各15,000円+税
★セル発売・販売元:エスピーオーお願いママ★★メイン

<TSUTAYA先行>レンタルDVD (全40巻) 1st(Vol.1~10)レンタル開始日:6月2日(木)より順次リリース!
★レンタル発売・販売元:カルチュア・パブリッシャーズ

公式サイト:http://www.cinemart.co.jp/onegaimama
Licensed by KBS Media Ltd. (C) 2015 KBS. All rights reserved

2016.05.27