Q.韓国では誰もが知る英祖、思悼世子、正祖の悲劇「米びつ事件」を中心とした史実を映画化した「王の運命」が、韓国のみならず海外でも評価され、そして日本で公開されることになりましたが、日本ではどんな反応を期待していますか?
韓国の時代劇が日本でもたくさん紹介されていますが、より多様なタイプの時代劇の面白さを感じてほしいと思っています。特に韓国の作品には、同じ時代劇でもファンタジー、ノンリアリティーのものもあれば、考証を重ねた史実に忠実なものもあります。
本作の場合は、そのどちらの要素も併せ持っていて、史実に忠実でありながら、今の人たちが見ても、あたかも現代社会にもあるようなストーリーだと感じられるよう、俳優の心理と感情をそのまま伝えたいと思いました。なので、人としての心理、感情をそのまま感じてほしいなと思います。
Q.ソン・ガンホさん、ユ・アインさんをキャスティングした経緯を教えてください。
ソン・ガンホは忙しい俳優なので、キャスティングができるとは思っていませんでした。投資会社を通じて、シナリオを読んでもらったんですが、2日後に出演すると連絡がきたので、心から「ありがとうございます」と(笑)。
ユ・アインは、以前「楽しき人生」という映画で、チャン・グンソクをキャスティングしたんですが、実はオーディションに来ていて、落ちた経緯があったので、今回それを挽回できる機会が巡ってきて、本当に良かったと思います。「王の運命」では、シナリオ段階から、思悼世子役にはユ・アインをイメージしていました。ユ・アインは、怒りに満ちた感情を秘めているんですが、それは社会に対して不満があるということなんです。20代の若者は社会に対して不満を持ってしかるべきだと思うんです。そういう意味で、彼は自分の感情に正直なので、思悼役にはぴったりでした。特に演技をするというよりは、自分が持っているものをそのまま出せばいい、ジャストマッチなキャスティングだったと思います。