「取材レポ」俳優チソン、日本のファンと約1年ぶりに再会! 心温まるトークと歌声で魅了

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ドラマ「キルミー・ヒールミー」「医師ヨハン」などで人気の俳優チソンが、10月12日、東京・品川きゅりあんにて、約1年ぶりとなるファンミーティング「2025 JISUNG FANMEETING IN JAPAN:Just Say」を開催。
さらに今回、東京・大阪両公演共に全公演がソールドアウトを記録。

俳優として数々の作品を通してファンの心を揺さぶってきた彼が、ファンと心で“言葉”を交わし、ドラマの裏話や名シーン再現、包容力あふれる歌声まで、俳優チソンの素顔と温かな笑い声を届ける特別な時間を過ごした。

開演時間が過ぎ、静かに照明が落ちると、会場全体に電話の着信音が響き渡った。すると「こんにちは、チソンです」と留守電風のメッセージが流れ、「ピーという音の後に、皆さんの気持ちを僕に伝えてください」という声に続き、ファンからの「今年も来てくれてありがとう」「チソンさん、大好きです」「早く会いたい」といったファンの声が流れる。そしてチソンの声で「僕に会いたいなら、今すぐにJust Say」というメッセージが終わると、カウントダウンが始まった。「3、2、1・・・」と数字がスクリーンに表示されると、会場中から「チソン!」という掛け声が重なり、ステージ中央のビジョンには楽屋からステージへと向かうチソンの姿が。メイクを終え、スタッフに見送られながら舞台袖へ向かう様子が映るたびに、歓声は一段と高まっていく。そしてついに、本人がステージに姿を現すと、客席は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
笑顔を浮かべ、ゆっくりと手を振るチソン。


「こんにちは、みなさん。会いたかったです。……みなさんも、私に会いたかったですか?」と、温かな声をかけると、客席からは一斉に「イェー!」と応える声が返った。「1年ぶりにお会いできて夢のようです。今日は胸の中にしまっていた思いをこのJust Sayに思いっきり込めてください。僕も僕の真心をみなさんと分かち合いたいと思います。たくさんの皆さんに来てくださいましたね。本当にありがとうございます。このように皆さんの前に立つと、ちょっと緊張しますね」と、柔らかな笑みとともにそう言うと、ファンとの再会の時間が始まった。
イベントは「Just Say」というタイトルにちなんで、言いたいこと、伝えたいこと、思ったことを素直に話すというテーマに進行。
この一年をどう過ごしていたのかという質問に、彼は「ドラマ『コネクション』を終えてからは、家族と過ごす時間を大切にしていました。子育てをしながら有意義な時間を過ごしていました。それから、5月から新しいドラマ『判事イ・ハニョン』の撮影が始まり、10月にクランクアップを迎えます」と答えた。
さらに、再会したファンに向けて伝えたいことを聞かれると、チソンは「みなさんお元気でしたか?」と問いかけ、客席からは大きな拍手が湧き上がった。「1年ぶりにお会いできて本当にうれしいです。どうしても皆さんに会いたくて、スケジュールを合わせてもらうよう駄々をこねました(笑)」と、ファンへの思いを伝えた。
最初のコーナーは、事前に集めたファンからの質問に答える「SAY BOX」。

「道でチソンさんを見かけたら、声をかけてもいいですか?」という質問には、迷わず「もちろんです!」と即答。「“チソン氏〜!”って呼んでくれたら、僕も手を振ります。もし時間があれば、一緒に写真も撮ってハグもしましょう」と答えると、客席からは大きな歓声が上がった。
続いて、「ファンの皆さんに呼ばれたい呼び名は?」には、「チソン氏〜!」とにっこり。
さらに「ドラマ『判事イ・ハニョン』のタイムリープする物語にちなみ、10年前に戻れるなら自分に何を言いたいですか?」という質問には、少し考えてから「“今、頑張っているよ”と伝えたいです。あの頃の自分に、勇気をあげたいですね」と話した。
一方でプライベートな質問も。「今日の俺、ちょっとかっこいいかもと思う瞬間は?」という問いには、「今この瞬間です!」と立ち上がってポーズを決め、会場を沸かせた。
また「ケータイの待ち受け画面は?」という質問には、「子どもたちがケンカしたので、今は妻と僕の2人だけの写真です」と答え、「家事が面倒な時はどうしますか?」という質問には、「面倒だと思っても掃除をしたり、僕が洗濯した服を子供達が着たり、作った料理を食べてくれると思っただけでできるようになります。僕が動けば家族が楽になると思っています」と、家庭的な一面を見せた。

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家庭を大切にしつつ、俳優としても第一線で活躍するチソン。最新作「判事イ・ハニョン」については、大手法律事務所の奴隷として生きた裁判官が10年前にタイムリープし、新たな選択と裁きを通して巨大な悪に立ち向かうファンタジードラマで、10月にクランクアップを迎えたことを報告。「2026年1月1日から放送予定です」とさらりと告知し、ファンの期待を一層高めた。

次に始まったのは、歴代の代表作の名シーンを対決形式で振り返る「チソンワールドカップ」。最初のシーンは「ラストダンスは私と一緒に」の最後の再会シーンが流れると、彼は少し照れくさそうに笑った。「まだ幼い感じですね。当時の音楽を聴くだけで、積もっていた雪が溶けるような気持ちになります。なので、このドラマは僕の心の片隅に残っている作品です」と感慨深げに語った。
2つ目のシーンは「医師ヨハン」の空港での告白シーン。彼は「セリフを聞くだけで心が温かくなります」と静かに語る。どちらのシーンが好きかを問われると、「難しいですが、心が温かくなった“医師ヨハン”を選びたいと思います。理由はこの場にいても共感することができます。皆さんの歩み自体が、僕の心を温かくしてくれたからです。僕たちが会う時っていつもそういう思いになるじゃないですか。なので、このシーンが胸に響いたんだと思います」と語ると、客席は拍手に包まれた。
次の対決シーンは、「キルミー・ヒールミー」のシン・セギとの別れのシーンが挙げられた。このシーンについて、彼は「撮影当時の思い出が蘇りますし、セリフに込められた意味も知っているので涙がこぼれそうです」と話し、当時の撮影秘話も明かした。
「このシーンでは一人二役なので一度に撮影できません。なので、チャ・ドヒョンの演技をして、シン・セギの役を演じます。リハーサルも一人でするわけです。そして、正面に自分がいると想像して演じるのですが、どんな演技をしている時よりもとても新鮮でした。チャ・ドヒョンはシン・セギを理解し、シン・セギもチャ・ドヒョンを理解し、そんな中チャ・ドヒョンが言ったセリフが“お前は俺だ”でした。チャ・ドヒョンはシン・セギより弱いけど、誰にでも弱さはあるじゃないですか。その自我に勝とうとする人格がシン・セギでした。あのシーンはそれまでにいろいろなエピソードがあって、最後に撮ったシーンになるわけですが、その時のセリフが“お前は俺だ”でした。そして、シン・セギを撮る時に、『俺は…』と言った後に、『お前だ』というセリフがなかなか出てこなかったんです。そして、『俺はお前だ』と言った瞬間、そこにいた監督やスタッフ全員が泣きました。そしてカットと言われた瞬間、“みんなどこか心に傷があるんだな(笑)”と心を癒してあげたというエピソードがありました」と笑顔を見せた。
さらに、彼は「フェリー・パクという人格もいました。いつもビールを一杯飲もうとするんですけど、その度に変わるじゃないですか。フェリー・パクという人格がいなくなる最後のシーンでは、ジョンウンさんの前でビールを一口飲むんですけど、リハーサルの時に本番のように演じたら、その時も周りのスタッフが泣いてしまったんです。このドラマは、さまざまなパニック状態を抱えている人たちに愛や勇気を与えるようなドラマだったので、意義のある作品だったと思います。ですので、末長く記憶していただけるとうれしいです」と伝えると、大きな拍手が送られた。

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そして、「医師ヨハン」と「キルミー・ヒールミー」のどちらを選ぶかと問われると、チソンは迷うことなく「『医師ヨハン』にします」と即答。熱く語っていた「キルミー・ヒールミー」を選ばなかったその答えに、会場のファンからは「えっ!?」と驚きの声と笑いが漏れた。理由は、「医師ヨハン」がハッピーエンドだから。「明るくて温かい気持ちになる方を選びました」とチソンは笑顔で説明した。そして、なんとそのシーンをファンと再現する時間も設けられられた。
抽選で選ばれたファンがステージに呼ばれると、緊張しているファンはステージ中央にいるチソンになかなか近づけない。するとチソンが、ファンの手を握ってステージ中央に連れて行くという場面に会場も大興奮。チソンを目の前にしたファンは硬直状態だったが、緊張するファンの手を優しく取り、「まだ遠いですね」と言って自ら近づき、目を合わせてセリフをささやく。「覚えておけ、俺がお前に惚れた瞬間」というセリフを言い終えてから、2人で見つめ合う時間が続き、最後はハグを交わしてファンも嬉し泣き。客席からは温かい拍手と歓声が沸き起こった。

続くコーナーでは、チソンが歌のプレゼントを用意していた。
「少し喉をほぐしますね」と照れながら後ろを向いて整えると、「では、行きます」と言って歌い始めたのは、「キルミー・ヒールミー」OSTの「スミレ」。温かみのあるアコースティックギターの音色が会場に柔らかく広がると、チソンは淡いスモークに包まれたステージに静かに佇み、手をポケットに入れ、まるでファン一人ひとりに語りかけるように歌い始めた。微笑むたびに会場は息をのむような静寂に包まれる。ファンはその歌声に吸い込まれ、胸の奥まで染み渡る旋律にうっとりと聴き入っていた。
(2ページに続く)

2025.10.21