会見はフォトセッションからスタート。報道番組のセットを模したステージに、ホワイトのワイドパンツスーツ姿のキム・ヘスが現れると、その圧倒的な存在感にプレスから自然発生的に拍手が沸き起こった。主演のスリーショット撮影では、キム・ヘスを真ん中に3人で手を繋いで登場。セットのテーブルを活用したポーズや手で銃を撃つ真似をする”トリガーポーズ“などを次々と繰り出し、仲睦まじい姿を披露した。
本作は調査報道番組『トリガー』の制作チームの面々が、型破りな調査方法で、警察も検察も捕まえることができない凶悪犯たちを追い詰めていく痛快スリラードラマ。キム・ヘスが今回演じるのは、「トリガー」のチーム長兼番組MCのオ・ソリョン。“美しい世の中”を信じる理想主義者で、信念を貫く強さと正義感を持つ真のジャーナリストだ。
「台本をいただいたのはドラマ『シュルプ』の撮影の終盤頃でした。当時来るオファーは重苦しい作品が多かった中、今作は深刻な社会問題や話題を扱いつつも、全体的にウィットに富んでいて、真面目さと痛快さのバランスがよく、おもしろそうだと思いました」と出演を決めた理由を語り、「ソリョンは悪い人たちがもっと悪いことをできないように“救おう”というおもしろいキャラクターです。高い職業意識がありプロフェッショナルな人物ですが、人間的には隙も多くて弱い部分もあります。ソリョンのプロフェッショナルさをどう表現するのか、物語の持つ真面目さとユーモアのバランスをどう取っていくのかを悩みながら演じました」と撮影を振り返った。
役作りでは、実際にドキュメンタリー番組や調査報道番組に関わる人々にアドバイスを仰いだそうだ。
「知り合いの知り合いにまでお願いをして話を伺いました。取材準備の過程や、撮影のための準備物、服装など、参考になる話ばかりでありがたかったです。アドバイスをもとに台本を修正したり、現場で活動する人が実際に着ている服をお借りしたりして演技に臨みました」と語った。
「この役はキム・ヘス以外に考えられない」と考えていたというユ監督は、そんなキム・ヘスの作品に対する姿勢に感銘を受けたようだ。「作品に自分の持っている全てを注ぎ込む姿がオ・ヘリョンに重なったんです。一緒に仕事をしてみて、なぜキム・ヘスさんがトップ俳優と言われるのか、一流なのかを感じとることが出来ました。“役者は体を楽器にして奏でる仕事”という表現がありますが、僕があった中で最も優れた演奏者だと思いました」と絶賛した。
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