3月17日に東京国際フォーラム ホールAで行われたコンサートツアーの最終日は、春らしい暖かさに恵まれ、会場に向かうファンの足取りも軽やかに。場内では期待に胸をいっぱいに膨らませたファンが、チ・チャンウクの登場を今か今かと待ちわびていた。
歌い終わり、大きな歓声と拍手が送られる中、チ・チャンウクは「みなさん、こんにちは。僕はチ・チャンウクです」と日本語であいさつし、「きょうはツアーの最後の公演です。ツアーを始めるにあたり、たくさん心配していましたが、大勢のファンの皆さんのおかげで最後まで無事に辿りつくことができました。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える。続けて、日本語で「きょうの私、どうですか?」とファンに投げかけると、「モシッソー!(かっこいい)」という声が飛びかい、その言葉に「本当にカッコイイですか?(日本語で)」と満足げな表情を見せる。
1曲目に歌った曲について、彼は「コンサートのスタートを『Kissing You』という曲から始めてみました。春とよく似合う明るい曲だと思います。僕のコンサートツアーのタイトルも春の“3月”です。春の爽やかな思いや新しい出会い、期待やときめき、愛を込めて“3月”というタイトルにしました」と説明。テーブルに飾ってある桜を見ながら「これ、桜、どうですか? 本当に綺麗です」と日本語でファンに投げかけることもあり、なるべく日本語で伝えようとしてくれている心配りにファンの心も満たされる。
会場に優しくも力強いサウンドが響くと、日本1stシングル収録曲の「僕がいたこと」を披露。「♪あなたへの想いを明日へのチカラにするから」というファンへの想いを繊細で切実な歌声で届け、続く日本2ndシングル収録曲の「Spring Is You」では柔らかな音色と優しい歌声でファンを癒した。
日本語の楽曲をリリースすることにしたきっかけについて、彼は「ファンミーテイングをする度に、日本の曲をカバーしてお聞かせしてきました。たくさんの皆さんが喜んでくださっている姿を見て、僕も日本語で歌ったら皆さんが喜んでくれるかなと思いました。そんな考えで最初のシングルをリリースしたのですが、もうすでに2枚目がリリースされました。僕の音楽をとても喜んでくれてありがとうございます」と説明し、「これからいつになるかわかりませんが、これからも頑張って音楽を続けてベストを尽くしたいと思います」と音楽活動に対する強い意志を伝え、ファンの期待を高めた。
ここまで春にまつわる音楽を披露してきたチ・チャンウクだが、ファンから募集していた春にまつわる話を聞いていくコーナーも設けられた。エピソードが選ばれたファンに向けて、「よろしく おます(お願いしますの略:チ・チャンウク考案)」とあいさつすると、「子供のころ、富士山のふもとに住む100歳になる祖母が作ってくれたヨモギの草餅が好きだったというファンから、お母さんの手料理で好きな食べ物を聞かれる。すると「まずは、おばあ様への100回目の誕生日をお祝いしたいと思います。おめでとうございます」と、富士山のある方向を見てお辞儀をして礼儀を尽くす。そして、彼は「母が作ってくれる料理はすべて好きです。なので、おばあ様のように僕の母も健康でいてほしいですし、みなさんもずっと元気でいてほしいです」と伝えた。そのほか、ファンの二十歳の息子さんにあげるプレゼントを提案したり、誕生日を迎えたファンにお祝いの言葉を伝えたりして、ファンとおしゃべりをするような時間を過ごし、アットホームな温かい雰囲気となった。
トークコーナーを終えてからは、チ・チャンウクの歌声を堪能する時間へ。チ・チャンウクが客席をまっすぐ見つめる姿が大型ビジョンに映し出され、「アンナラスマナラ」と呪文を唱えて客席に手を伸ばすと、壮大で幻想的なオーケストラサウンドが会場を包み込み、ドラマOSTの「あなたは魔法を信じますか?」を披露。伸びやかで力強い歌声で歌うと、続けて、ドラマ「奇皇后 ~ふたつの愛 涙の誓い~」OSTの「蝶へ」を情感たっぷりに歌い、会場を一気にドラマの世界に引き込んだ。
コンサートのセットリストを自分で考えたという彼は、Yun DDan DDanの「君に会いたい夜」や、イ・ムンセの「愛が過ぎたら」といった、ゆったりとした落ち着いた曲調の楽曲も選び、チ・チャンウクの優しい歌声をたっぷり聴かせてくれた。
(2ページに続く)