『クイーンメーカー』は大企業ウンソングループで働いていた女性が、ある事故をきっかけにウンソングループを倒し、復讐するために人権弁護士の女性と共に選挙戦に挑むドラマだ。
2人の行く末は?
ウンソングループ会長の元で働くファン・ドヒ(キム・ヒエ)は、財閥一家のためにはどんな不正も解決してきた敏腕企画室長だ。
だが、そのやり方は必ずしもたたえられるべきものではない。
氷のような心のドヒ。
しかし、「会長の犬」呼ばわりされたときのチョットした表情から、ドヒの心の奥底の心情がチラッと垣間見える。
そして、ある時悲しい事故が起きる。
それをきっかけにドヒはウンソングループを退社し、ウンソングループを倒すことを決意する。
会長の婿のペク・ジェミン(リュ・スヨン)がソウル市長選に立候補する。
このジェミンの人の好さそうな笑顔、人を惹きつけるトーク。
裏の顔を知ってしまったら何とも大げさな笑顔、嘘たっぷりのトークに腹が立ってくる。
憎たらしいほどの演技力だ。
それに騙される市民。
選挙ポスターの笑顔は作り物よ!と声をあげたくなる。
ジェミン役のリュ・スヨンの甘い笑顔は素敵なのに、ドラマの中の彼の笑顔は嫌悪感さえ抱いてしまう。
ドヒはこの演技力抜群のジェミンに勝つために、人権弁護士のオ・ギョンスク(ムン・ソリ)を市長選に立候補させる。
ここから2人の女性がタッグを組み政治の世界へと踏み出していく。
2人の出会いはお互い敵対関係だったが、ドヒの説得によりギョンスクは市長選に立候補する。
ドヒはウンソングループを倒す目的、ギョンスクは良い世の中を作ると言う目的がある。
動機は違うものの、二人の快進撃は気持ちが良い。
悪行を隠して市民に良い顔を見せるジェミンに戦いを挑む女性2人が本当にカッコいい。
それにしてもギョンスクは、どうしてあんなに心が広いのか?
彼女を支援するキム・ファス(キム・ソニョン)に裏切られた時にも、彼女を責めるのではなく、反対に思いやる。
ファスの置かれた立場、心理状態を心配しているのだ。
ファスの家の前で待っていたギョンスクは、冷え切った体の彼女にマフラーを巻いてあげ、手袋を渡した。
サラッと自然にそんな事ができる女性、しかも何の見返りも考えず相手の気持ちだけを考えて……。
そうする事で自分が窮地に立たされても、だ。
なかなかギョンスクのように生きていくのは難しい。
どうしても守りに入りがちだからだ。
政治の世界の裏側が心配になる。
ギョンスクの掲げている「良い世の中」と言う言葉が胸に刺さる。
世界でいろんな事が起きている今、良い世の中を作りたい一心のギョンスクの思いは市民に届くのか?
そして、ドヒの氷のような心は解ける日がくるのか?
2人の心からの笑顔が見たい。
文=須坂のりこ
コラム:ロコレ提供http://syukakusha.com/
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