Hi-Fi Un!cornは、この3月までTBSと韓国の放送局SBSグループ、そして韓国の芸能事務所FNC ENTERTAINMENTの3社が組んで開催していた日韓合同サバイバルオーディション番組『THE IDOL BAND:BOY'S BATTLE』(以下、『THE IDOL BAND』)で優勝し、6月26日にCNBLUEのジョン・ヨンファのプロデュース曲「Over the Rainbow」で日韓同時デビューしたバンドグループ。デビュー曲「Over the Rainbow」は、iTunesポップアルバムチャートで1位を獲得(6/26付)した。メンバーは、オム・テミン(Vo.)、福嶌崇人(Vo.)、キム・ヒョンユル(Gt.)、ソン・ギユン(Ba.)、ホ・ミン(Dr.)という日本人1人を含む5人組。日本では、デビュー前の4月から事務所の先輩であるFTISLAND、CNBLUEのライブのオープニングアクトで経験を積み、『2023 DREAM CONCERT in JAPAN : Hello, My Friends!』、『FNC BAND KINGDOM 2023』など合同コンサートに出演。韓国ではデビュータイミングで音楽番組での活動を行い、8月には音楽授賞式「2023 K BLOBAL HEART DREAM AWARDS」でワールドワイドルーキー賞を受賞している。7月の『FNC BAND KINGDOM 2023』で今回の初ワンマン開催を発表すると、チケットは先行販売で即ソールドアウトしたという、今、注目の新人グループだ。
開演2分前から期待の拍手が会場に起こる中、ステージに登場した5人。大歓声の中、テミンの「会いたかった―!」という第一声でデビュー曲「Over the Rainbow」からライブはスタート。<Have a good time>という歌詞で、全員で首をかしげるジェスチャーがかわいい。そしてキュートな曲から一転、激しいビートで彼らの事務所の先輩、FTISLANDの「Hello Hello」とCNBLUEの「Youʼre so Fine」カバーをメドレーで続けた。
最初のMCでは、全員で声をそろえて「よろしくお願いします!」と初々しさあふれる挨拶をすると、崇人が「今日は、皆さんと一緒に楽しむために、一生懸命準備してきました。皆さん、盛り上がる準備はできていますか?」と満員のフロアを煽ると、テミンが「最初の曲は、僕たちのデビュー曲「Over the Rainbow」でした。デビュー曲は僕たちを象徴する大切な曲なので、初ライブの1曲目におきかせしました」と、デビュー曲への想いを語る。そして冒頭で「やっと、この日がやってきましたね」と感慨深げにファンに語りかけたリーダーのヒョンユルは、「この日のために日本語の勉強もしてきたので、今日は、歌はもちろん、トークにも期待してください!」とアピールした。
テミンが「知ってる人は一緒に歌ってください!」と言って始まったのは、カバー曲のブロック。7月の『FNC BAND KINGDOM 2023』でも披露したTWICEの「Feel Special」、そしてBTSの「DNA」の口笛のメロディーから、Wanna One、東方神起、BIGBANG、 SHINee、BLACKPINK、SEVENTEENまでK-POPの名曲をバンドアレンジした「K-POP Mash Up」に続く。
K-POPカバーの後は、Oasisの「Don't Look Back In Anger」、Lady Gaga, Ariana Grandeの「Rain On Me」、SHAUNの「Way Back Home」と大ヒット英語曲のカバーを初披露。さらに、J-POPカバーのコーナーでは、『THE IDOL BAND』やオープニングアクトのステージでも歌った崇人のアカペラが映える優里の「ドライフラワー」に加え、今回が初披露となるスピッツの「楓」、DISH//の「猫」など日本のバンド曲もカバーで聴かせた。
「僕たちは、日本のバンドが大好きです。この夏は、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』やUVERworld先輩の日産スタジアム公演など、日本のアーティストさんのライブにたくさん行って勉強しました。それも全部、今日のワンマンライブのためです」と言うヒョンユル。
テミンがカバー曲を「国も言葉も文化も全部違うけれど、音楽はやっぱり国境がないなと思いました」と言ったが、その言葉を体現したのが、バンドアレンジにした嵐の「Love so sweet」だろう。“全世界の大衆音楽をリードできる実力とビジュアルを備えたアイドルボーイズバンド”を誕生させることをコンセプトとしていた『THE IDOL BAND』出身の彼らにぴったりのカバー曲で、テミン、崇人、ヒョンユル、ギユンの4人がフロントに集まり、軽いダンスを見せて盛り上げたが、誰もが知るこの曲に、客席からも曲に合わせた手拍子やコーラスなど大きなレスポンスが上がった。
「Love so sweet」の盛り上がりの後、崇人の「Make Some Noise!」の声で始まったのは、『THE IDOL BAND』の決勝戦で彼らに勝利をもたらした爽やかな印象の「DoReMiFa-Soul」。笑顔で歌うテミンと崇人。フロアがHi-Fi Un!cornの刻むリズムに合わせて、揺れた。
歌い終わると「皆さん、やっぱり最高ですね!」と叫んだテミン。続けた崇人の「なんと、重大発表があります!」という言葉に沸くフロア。ヒョンユルが、「ニューシングル「U&I」を発売します! 今回は、CDを持って皆さんに会いに行きます」と言うと、大歓声が沸き起こった。デビュー曲「Over the Rainbow」がデジタルシングルだったので、CDでの発売は、「U&I」が初となる。
すかさず崇人が「僕が出演させていただいたドラマ『君には届かない。』の主題歌。ぜひたくさん聴いてください」とコメントしたが、「重大発表はこれだけではないんです!」と大きな声で言うと、ギユンから「僕たちの次のライブが決まりました! 初めての名古屋、初めての大阪、そしてそして東京! ツアーが決まりました。遊びに来てください!」と、来年1月に初ツアーを行うという嬉しい発表も!
盛り上がるファンに畳みこむようにミンが、「そして、僕たちが考えて、Hi-Fi Un!cornのファンネームを決めました。僕たちを『THE IDOL BAND』で優勝させてくれた曲、「DoReMiFa-Soul」と関係があります」とファンに笑顔で新たなサプライズを仕掛けると、5人が順番に「ドレミファソウル~♪」と音階を続け、全員で「RaSiDo(ラシド)!」と大きな声で発表。崇人の「「DoReMiFa-Soul」には、5つの音階で5人のメンバーがいい音楽を仲良く作っていくという想いが込められています」という言葉にヒョンユルが「でも僕たちだけでは、音が足りないんです。RaSiDoの皆さんがいてくださるから、いい音楽を作ることができます。これからもRaSiDoの皆さんと一緒に僕たちと音楽を作っていきましょう!」と意気込み、新曲「U&I」と、カップリングに収録される「Stay With You」を初パフォーマンス。ツインボーカルが活かされたエネルギッシュな「Stay With You」は、このライブでライブミュージックビデオの収録も行われた。
鳴りやまない大きな「ハパユコール(Hi-Fi Un!cornの韓国での発音がハイパイユニコーンのため、頭の文字をとってハパユと略される)」に迎えられてアンコールに登場すると、RADWIMPSの「前前前世」、「となりのトトロ」などのアニメソングがマッシュアップされた「J-POP Medlay」と、CNBLUEの「Radio〜Between Us」のカバーソングで最後まで盛り上げて、幸福な一体感が溢れる中、ライブを締めた。
MCでは、グローバルバンドとして日韓で活動するにあたり、韓国人メンバーは日本語を、日本人の崇人は韓国語を勉強中だと報告。韓国人メンバーの最近のお気に入りの日本語は、「コスパがいい(ヒョンユル)」、「もったいない(ギユン)」、「承知しました(ミン)」、「あまずっぱい(テミン)」なのだそう。そして崇人が「皆さんに覚えて帰ってほしい韓国語がある。ライブ終わりに言われると、また頑張ろうと思える魔法の言葉」だと言ってファンに教えたのが、「チャレッソ(よくやった)」だったが、アンコールを終えて崇人が会場のファンに「どうでしたか?」と問いかけると、ファンは「チャレッソ、チャレッソ、チャレッソ!」と大きな声で応えた。
今後のHi-Fi Un!cornは、ボーカル・福嶌崇人が出演中のドラマ『君には届かない。』(TBS系)主題歌「U&I」を表題曲とした2ndシングルを11月29日にリリース。12月16~17日に幕張メッセで開催される事務所フェス『2023 FNC KINGDOM - The Greatest Show -』に出演。そして来年1月に、初ツアーとなる『Hi-Fi Un!corn 1st Livehouse Tour ~U&I~』を開催する予定。世界に羽ばたく彼らの今後に注目が集まる。
(オフィシャルレポート)取材・文/坂本ゆかり
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