(左から演出:安藤亮司、イ・ウゴン(TRITOPS*)、チャン・ユジュン(TRITOPS*)、ノ・ミヌ(BF)、母親役:網浜直子、「home」を歌う木山裕策)
舞台「Home」は、2008年に大ヒットした歌手・木山裕策の楽曲「home」を基に、家族愛をテーマに書き下ろされたオリジナルストーリー。昨年3月の初演に続き、新たなキャストで10月に浅草花劇場での再演が決定した。
舞台「Home』は、ミュージシャンを夢見て路上で歌う家族想いの長男・祐一(イ・ウゴン)、車椅子ながら祐一と路上歌手活動を続ける三男・蒼太(ノ・ミヌ)、そんな二人の活動に反対する現実的な次男・健次(チャン・ユジュン)の三兄弟と、彼らを明るく温かく見守るシングルマザー・充子(網浜直子)からなる山郷家の物語。
今回のオファーについて、三男・蒼太を演じるミヌは「僕は舞台に立つのが大好きでまたいろんな皆さんと舞台に立つことができてとても光栄です。家族の話で良い物語だなと思いました。迷惑をかけずにがんばりたいと思います」とガッツポーズ。次男・健次役を演じるユジュンは「家族の話ですし、兄弟の話です。同じグループのウゴン兄貴ともう15年一緒に住んで活動をしているし、本当の兄貴だと思っているので、それなら本気で演じることができるんじゃないかと思いました。がんばりたいと思います」と自信を見せた。
長男・祐一役を演じるウゴンは「出演することができることになって嬉しいです。『home』という有名な曲から生まれる感動的なストーリーをキャストの皆さんと演じることができてうれしいです。稽古中はめっちゃいい家族の雰囲気です」と笑顔を見せた。三兄弟の母親役を演じる網浜直子は「こんなにキラキラした子たちのお母さんをやらせてもらえるんだと、トキメキました(笑)。かなりの間女優業を離れて子育てだけをしてきたので、ドキドキでしたが、一生懸命日本語の勉強をして臨んでいる子たちの足は引っ張れないと思いました(笑)。気を引き締めてやらなきゃと思っています。プライベートでは2人の息子のお母さん。その部分をキャラクターに発揮できれば」と意気込みを語った。
実生活ではウゴンとユジュンには姉がいて、ミヌは妹がいるという。ウゴンは「メンバーのユジュンさんがいるからなんとなく弟の雰囲気はわかるんですけど、ミヌさんが末っ子役でめっちゃかわいくて、本当の弟がいたら愛おしいんだなって思いました」と話すと、ユジュンが「僕は本当の末っ子じゃなかったんだ…」とウゴンに強い視線を送るが、ウゴンは「この子(ユジュン)は性格がちょっと強いので(笑)」とユジュンの足をポンポンと叩き、笑わせていた。劇中では末っ子のミヌだが、実生活では長男ということもあり、2人のお兄さんの衣装のチェックをするしっかり者だそうだ。劇中では甘えてほしいという言葉に、ミヌも元気よく「はい!」と可愛い笑顔を見せていた。
稽古の雰囲気について、網浜直子は「まだ一日しか稽古はできていないのですが、次男くんとは今日初対面でした。スタジオに入った瞬間から、あいさつしたらピッと立って『おはようございます!』って言っていただいて、本当に礼儀正しく育ってきたんだなと思ってびっくりしました。台本を見たら、私も日本人なのに日本語でさえたどたどしいというか、それを読み込んでお芝居をしてくるというのが本当にすごいな、素晴らしいなって一日目は感動をしたのと、自分もそれに負けないようにやっていけるんだろうかって不安にもなりました。でも、子供たちがかわいくて、たくさん息子ができたような、3人も増えちゃって嬉しいです。シングルで育ててきたお母さんのたくましさをもうちょっと出せたらなって思います」と話した。
コロナ禍で韓国ドラマにハマったという網浜。彼女は「韓流ドラマにハマってしまい、見ると止まらなくなっちゃうので最後まで見ちゃいます。勉強できるところもいっぱいあるので、すごいなって思いながら見ています。韓国の文化として、目上の人に律儀で礼儀正しいとは知っていたのですが、初めて3人とお会いした時は驚くほど美しくて、最初はマスクをしていたんですけど、マスクを外したときに“おいくつですか?”って驚くほどお肌がきれいで、びっくりしました。毛穴なんてないんですよ。そんな感じで、自分まできれいになれるような気がしてありがたいです(笑)」と期待感を語った。
制作発表には、舞台の原案となった楽曲「home」を歌う木山裕策が登場。舞台化されるとオファーを受けた時の気持ちを聞かれると、彼は「はじめにオファーいただいたのは、コロナが真っ只中でした。いろいろ紆余曲折あって、ようやく去年に初演が実現しました。一言で言うと、舞台になることがはじめはイメージがつきませんでした。歌の世界がそのまま舞台になると聞いて、どうなるんだろうってただただ驚いていました。当時はZOOMで、監督さんや関係者の方に僕の人生を聞かれたのですが、僕が自分の人生が舞台になったらどうしようって怖いと思ったんです(笑)。結果的には、うちは男の子4人いるんですけど、舞台では3人になっていて、お父さんがいないですよね。でも僕はお父さんなので、潔く、すごく斬新にストーリーを作っていただいて、なので脚本を見させていただいたときに、ホッとした感じがありました。ほっとして、客観的に舞台を見させていただいたのですが、はじめは驚きましたが、最後は何度も何度も舞台に行き涙を流しました」と当時を振り返った。再演にあたり、キャストへのメッセージを求められると、彼は「1年後に再演になるのはびっくりしました。控室でみんなめちゃくちゃ仲がいいんですよ。すでに家族っぽくなっていました。兄弟の葛藤、親子の絆など。良いことだけじゃなく、悩んでそれを乗り越えていきます。今回も前回とは違う家族の絆が生まれそうな予感をさっき控室で感じました。僕は演技ができないんですけど(笑)、歌でしか応援できないのですが、舞台を見に来てくださるお客様は絶対に感動をしていただけると思うので、その日に向けて全力でどうぞよろしくお願いします」とエールを送った。
劇中の好きなセリフについて聞かれると、ミヌは「『山郷兄弟です。兄弟で歌っています。もし時間があったら一曲聞いてもらえませんか? よろしくお願いします』と、何回も何回も繰り返して言いますけど、歌手になりたいという感情とかいろんな状況を含めて一番代表するセリフなので好きです」と話し、ユジュンは「『社会に出るって大変なことなんだよ』です」と短いセリフで次男の性格を表現。ウゴンは「『オードブルね』っていうセリフがあります(笑)。母ちゃんとのセリフなんですけど、母ちゃんとの絆というか、仲の良い感じがよく表現できているセリフだと思います。僕はオードブルってよくわからなくて、稽古の時もずっと間違っていて、まだ何が正しいかわからないので、練習して本番では完璧にオードブルって言えるように頑張ります」と話し、本番への期待を高まらせた。
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