まもなく41歳を迎えるイ・ジュンギ。彼のことを記事で取り上げるようになってから20年近くが経つ。編集長をしていたムックでイ・ジュンギのインタビューを取り上げたのが最初だった。それは2004年のことだ。
ファンのために
イ・ジュンギのインタビューを取り上げた時、その発言の内容が真摯で深みがあったので、とても印象的だった。当時はそれほど知られていなかったが、「この人はいずれ一流の俳優になるに違いない」と思ったものだ。
その翌年に映画『王の男』で大ブレイクを果たして、早くもとてつもない存在感を見せる魅惑的な俳優に成長していた。
以後のイ・ジュンギの活躍は、言うまでもないことだろう。ドラマや映画でトップ俳優として稀有な人となった。彼のことを韓国のライターに聞くと、みんなこぞってイ・ジュンギの人間性を絶賛していた。
「ファンのために全身全霊を傾けて取り組む男」
それが、韓国での彼の評価だった。
しかも、絶対に手抜きをしない。エンターティナーとしてファンイベントに出る時も、一流アーティスト以上に企画から歌唱まで最善を尽くして素晴らしいステージを披露していた。そんなイ・ジュンギは、あまりにストイックに自分を抑えすぎるところもあった。
独特の存在感
果たして、どこで息抜きをして、どこで休むのか。そんな思いをするほどに彼はとことんまでやり抜く男なのである
この「とことんやり抜く」というのが私の中ではイ・ジュンギの一番の評価だった。それゆえ彼のドラマは常に緊迫感が満ちていた。
今は『悪の花』が長く評判がいい。このドラマが初放送されてから3年近く経っているが、いまだ新しい視聴者を感激させており、私の知り合いも「『悪の花』を見たら本当にイ・ジュンギがすごかった」という声を寄せてくる。
何よりも、イ・ジュンギが持っているポテンシャルは無限だ。そんな彼が『悪の花』を大成功させて、韓国ドラマのレベルを世界に示してくれた。
40代となったイ・ジュンギ。これからも独特の存在感で韓国ドラマを華やかにリードしてくれることだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)