<W解説>人民のK-POP視聴を禁じる北朝鮮で、歌手が歌ったのは韓国グループの模倣曲?

内容はかなり過激なものとなっている。同法27条では「南朝鮮(韓国)の映画、録画物、編集物、図書、歌、図画、写真などを直接見たり聞いたり保管した者は5年以上15年以下の労働教化刑(懲役刑)を宣告され、コンテンツを流入させ流布した者は、無期労働教化刑(無期懲役刑)や死刑など最高刑に処す」と定めている。

2021年には北東部のリャンガンド(両江道)で、韓国映画を見ていた中学生が同法に基づき14年の労働教化刑(懲役刑)に処された。昨年10月には中朝国境の都市、ヘサン(惠山)で、韓国ドラマなどを友人へ回し見させた高校生2人が公開処刑されたという。K-POPのビデオを視聴して公開処刑となった人民も少なくないとされる。

こうした中、北朝鮮が「GFRIEND」の「FINGERTIP」を模倣した疑いが指摘された。模倣が事実ならば、法律まで制定して徹底的に韓国文化コンテンツを取り締まる金正恩政権の体制とは大きく矛盾することになる。その上、カン教授の見解では、北朝鮮はこの模倣に朝鮮労働党の関与があった可能性がある。同党の機関紙・労働新聞は昨年12月、建国74周年の祝賀公演が「個性と特色を生かした斬新で異彩を放つ編曲」だったとして、金総書記の直接的な指導があったと報じた。

カン氏は聯合ニュースの取材に、「作曲家個人の裁量で韓国や西側諸国を模倣する編曲をした可能性は低い」とし、「党レベルか関与した」と指摘。韓国文化が若い世代の間であまりに広く受け入れられているため取り締まりや規制が難しく、韓国の要素を取り入れて韓国の歌に対抗できる文化を作ろうという方向に舵を切ったとみられるとした。

このニュースに、韓国のネットユーザーからは「人民には韓国コンテンツを観覧しただけでも処罰するのに、作曲家(編曲家)は処罰されないのか」などと政権の体制の一貫性のなさを指摘する声が上がっている。

WOW!Korea提供

2023.01.24