登場人物の韓国名が浸透しているためか、今回公開が始まったアニメーション映画「THE FIRST SLAM DUNK」でもそれは変わらなかった。公開決定を伝える韓国メディアも「カン・ベクホをはじめとするソン・テソプ(原作は宮城リョータ)、チョン・デマン(三井寿)、ソ・テウン、チェ・ジスまで、サンブク高校(湘北高校)5人の顔が描かれたイメージが注目を集めている」などと紹介した。
韓国映画振興委員会の集計によると、アニメーション映画「THE FIRST SLAM DUNK」は韓国公開初日の4日に約6万2000人を動員し、興行ランキング2位を記録した。座席数に対する観客数の割合を示す座席販売率は23.2%で、公開中の米映画「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」(12.5%)を抜いて1位となった。
「THE FIRST SLAM DUNK」は、とりわけ原作漫画「スラムダンク」が出版された当時学生だった、30~40代を中心に関心を集めているという。「タイムマシーンに乗って学生時代に戻ったようだ」と懐かしむ声も聞かれる。
作品は出版当時、韓国でも絶大な人気を誇り、同作を読んでバスケットボールを始めた人も急増。ボールやシューズも飛ぶように売れた。「左手は添えるだけ」、「バスケがしたいです」などといった登場人物の名ゼリフは、かつて原作を夢中で読んだ30~40代の人たちの脳裏に焼き付いている。また、昨年の北京冬季五輪に、カーリング女子韓国代表チームの選手として出場したキム・ウンジョン選手は「メガネ先輩」の愛称で呼ばれるが、これはキム選手が競技中に特徴あるメガネをかけており、「スラムダンク」に出てくる「メガネ君」こと木暮公延に由来する。「メガネ先輩」という愛称が広く浸透したのも、「スラムダンク」という作品が韓国でなじみある作品だったからだろう。
漫画「スラムダンク」の原作者で映画の脚本・監督も手掛けた井上雅彦氏は「新たな角度と視点から見た『スラムダンク』を作った」とし「結局根っこは全て同じで、『スラムダンク』を既に知っていても、こんなスラムダンクもあるんだという気分を感じてほしい」と話している。聯合ニュースによると、今回の映画公開をきっかけに、漫画を再び手に取る人も増えているという。韓国のオンライン書店大手、イエス24によると、映画の封切に合わせて発売された特別版「スラムダンク チャンプ」は元日のベストセラー1位を記録した。主な購入層はやはり、かつて作品を読みふけっていた30~40代だといい、購入者全体の87%以上を占めた。
WOW!Korea提供