「イベントレポ」『別れる決心』巨匠 パク・チャヌク監督 5年10ヶ月ぶりの来日! 興奮さめやらぬ鑑賞後のファンの皆さんからの質問にたっぷりと回答!

映画『お嬢さん』(2016)以来、5年10ヶ月ぶりの来日となるパク監督。監督が登壇すると会場からは割れんばかりの拍手が。
パク監督は本日のティーチインイベントに集まったファンの皆さんへ向け、「前作の『お嬢さん』以来約6年ぶりに本当に久しぶりに劇場公開される長編映画を撮りました。コロナ禍を経て、『この先皆さんにこの映画を見てもらえる日が来るのだろうか』ととても心配していたので、まるで初めて映画を作ってそれを皆さんに見ていただくようなワクワク、ウキウキした気分です」と挨拶をし、イベントがスタート。

まずMCより、「前作『お嬢さん』とは全く異なる設定だが、愛の物語をミステリーというジャンルで描くという点では共通していると思う」とした上で、「ミステリーとロマンスを融合させるスタイルに惹かれる理由は?」と問われると、「“愛”というのは“とても大きなミステリー”で、この2つはとてもよく似合う要素だと思います。『どうして私はあの人に惹かれるのだろうか』というのは口では言い表せないほどの大きな謎だと思います。ミステリーにロマンスを融合させるというのは、理にかなっていると思います」と答えた。

そして、会場からの質問を募集すると、「韓国語と中国語のやりとりがもどかしくてとてもセクシーでした!言葉が通じないけれど何かで通じ合っているという様子が素敵だったのですが、どのように考えて作られたのでしょうか?」と興奮さめやらぬ様子での質問が。パク監督は「言葉が通じない人同士の愛というものは、物語の効果的な装置になると思います」と答え、「愛を成就するために、厳しい条件や壁があればあるほどよりドラマチックになると思いませんか?私は言葉の壁というものを活用せずにはいられませんでした。映画を作る上で、通訳が必要になるシーンは、どうしても描写に時間がかかってしまい、観客ももどかしい気持ちになってしまうためできるだけ避けようとするのですが、私は逆にそれを効果的に利用しようと思いました。主人公へジュンと観客の皆さん両方をもどかしくさせようと思ったわけです。ヒロインのソレが何かを熱弁しているけれど一体なんと言っているのだろうととても気になったと思います。」と本作の設定に込めた思いを語り、「今も私が韓国語で話していると、一体なんと言っているのか気になるでしょう?ですから、できるだけ短く話して通訳さんに任せたいと思います」と続け、会場を笑わせた。

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2022.12.28