<WK寄稿>理屈っぽく見える韓国人と黙して語ら無く見える日本人-その1


韓国と日本の国旗を見比べてみてください。日本の国旗は文字通り日の丸一点ですが、韓国の太極旗は中心に赤と青の陰陽が描かれ対立してるようでもあり調和しているようでもあります。回りには卦があしらわれています。知識人(?! )を自負してる私ですら正確に詳しく説明できないほど哲学的で、宇宙の究極の真理を表しているそうです。

多分世界200余か国の中でも難解な国旗だと思います。この旗の対照的な違いだけでもそれぞれの気質が読み取れます。

シンプルな日本人に対して理屈っぽい韓国人が!

日本の国旗は日の丸の枠の中で単純明快でアッサリして多くを語りませんが、韓国の方は円の中に“陰陽、男女、左右”などを連想させ、相対している文様が描かれ凹凸状に入り込んでいます。見方によって躍動的というか対立しているかにみえます。

この流動性こそが韓国人の特徴と言えそうです。長きにわたる南北の分断による戦時状態の継続、先の大統領選挙で繰り広げられた保守と進歩の究極の争い、若い男女間(20~30台)の断層など激しく対立している様を見ると、相手の立場を考慮し妥協し棲み分ける日本人の柔軟さがうらやましくなります。

その間、韓国政治はイ・スンマン(李承晩)、パク・チョンヒ(朴正熙)、チョン・ドゥファン(全斗煥)大統領と独裁政権が半世紀近く続き1987年に市民や学生らによる民主化運動が成功し新しい政治体制が論議されました。

それまでの独裁政治の弊害から、日本のように内閣制度を導入しようとの意見が多だありましたが、韓国民は自分たちの手で選ぶ独裁政権になりやすい大統領制を選択しました。それぞれの分野で妥協し棲み分ける方式より、激しく対立し一つの力に統合(太極旗の陰陽が象徴する)する方式が韓国人に合っているのでしょう。

日韓両国には特に国花は制定されてないのですが、日本と言えば“桜”を連想しますし、韓国は“ムクゲ(木槿)”というのが定番です。桜は春にパッと咲いてパッと散るシンプルで潔よさで日本人に愛されています。

一方、木槿は7月から10月初旬にかけ咲いては散り咲いては散る生命力のある花で、桜に比べ赤白黄色と色彩もはっきりしていて韓国人の情緒に合っています。一回で終わらない何回でも何回でも咲き誇りアピールする生命力は韓国人特有のねばりを象徴しています。それは数限りなく異民族から攻められ虐げられてもへこたれず独自の国と文化を守って今日に至っている事を象徴しています。

日本の国民的映画と言われている「男はつらいよ」シリーズで、主人公の寅さんの名セリフに“それを言っちゃあ、おしめえよ”というフレーズがあります。むやみにベラベラ喋ることを良しとしない美学でその代表的な俳優が高倉健です。相手の気持ちを逆なでしないよう配慮する心配りですね。
“黙して語らず”昔の武士の徳目でもありました。騒々しく騒ぎ立てるのでなく根回しと阿吽の呼吸、そして場の空気を読み静かに落としどころを定め円満に収めるのが日本の方式ではないでしょうか。

一方、韓国は“それを言わなくては気が済まない”と、とうとうと自説を述べ相手を説き伏せます。あたかも言わなければ損だと言わんばかりに…街中や地下鉄でも時々争っている人たちを見かけますが、周りを気にせず大声を張り上げ自分の正しさをアピールしてます。そのせいでしょうか⁉ 韓国の街中は日本よりも騒がしいと思えるのは…

この違いは地理的、地政学的な面もありますが、中国から諸制度を導入する時、日本がいろいろいいとこ取りしましたが、儒学を主とした科挙制度を採用しなかったのが大きく影響したと思います。科挙とは政府の役人を採用する制度で韓国では10世紀後半から今日までその制度が続いています。

科挙に受かれば権力もお金も名誉も得られる道が開けるわけですから、その必死度は並大抵ではありませんし、その教育熱は今日にまで受けつかれています。今は報道されなくなりましたが一昔前の新聞に必ずと言って良いほど、誰々が本年度のソウル大学に首席合格したと写真入りで報じられましたし、首席で卒業した人も当然ながら…。先の「国民の力」党の大統領候補の一人も首席でソウル大学を入学し一番の成績で司法試験に受かったことがマスコミに紹介されてました。

日本でも教育熱は韓国に劣らないかもしれませんが、前回お話ししたように日本には必ずしも東大を目指さなくともそれぞれの分野で日本一になれるという良い伝統と、韓国より産業の裾野が広く就職条件が整っているので、韓国ほど熾烈ではありませんし、中央志向でもありません。

中央志向と言えば韓国の大統領制度もその範疇に入ります。大学を出てなくとも、あるいは政治家でもなくとも選挙に当選さえすれば一夜でアメリカの大統領よりも強い権限を行使することができます。<次回に続く>

※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。『あなたは本当に「韓国」を知っている?』の著者

WOW!Korea提供

2022.06.22