◆ 監督する上での苦労やメイキングについて
(パク・ジョンミンに対し)出演した 27 名の⼦役俳優を全員⾃分でキャスティングし、キャラクターの名前まで付けたと聞きました。
まず⼦供たち 27 ⼈が必要でした。オーディションではなくて⼦供たちとミーティングを⾏いました。ひとつのクラスの⼦供たちなので、名前も役割もなくただ座って過ごすというのは避ftたかったのです。そのためクラスメイト全員に⾃分の中学・⾼校の同 級⽣の名前から役名をつft、性格を与えてクラスの中での友達関係なども指導しました。僕の同級⽣が観たらびっくりすると思います。ひとりひとりがこの映画に対する責任感を持って参加してほしい、そういう現場にしたい、と。そういうことをしなくても いいのかもしれませんが、責任感と⾃負を感じて欲しかったのです。
(ソン・ソックに対し)現場での情熱が写真からも感じられます。現場で完全に⾶び回ったと思うのですが、話を聞かせ てください。
あちこち⾛り回って、本当に楽しくって、本当に⾯⽩かったです。はじめて監督を経験したので俳優たちに迷惑がかからないように、また俳優が僕を助ftてくれる思いで⼀⽣懸命動き回るしかないんです。⼀つだft「リアル」ということに演出に気を使いま した。真実を伝えたかった。俳優のリアルな演技を拾いたいと思いました。過去に 1 回、途中で演出を投げ出したトラウマがあったので、今回だftは絶対に完成させたい気持ちが⼤きかったです。
(チェ・ヒソに対し)4 ⼈の監督の中で唯⼀、チェ・ヒソ監督は演出と演技を並⾏していました。演出も兼ねての経験はどうでしたか。
不思議な感覚でした。今になって考えるといい選択だったと思います。キャスティングするにあたって、⼦役のパク・ソイと親密 な関係性を醸し出せる⺟親役を探す時間がなく、(以前に⺟⼦役で共演していたので)その雰囲気を出すには⾃分が⺟親として出演した⽅が良いと思ったんです(チェ・ヒソもパク・ソイも別作品と並⾏して本作の制作に挑んでいた)。どちらかというと演技は半分諦めて、演出に⼒を⼊れた気がしています。どちらも同時に⼀⽣懸命にはなれないので、あまり欲張らないという選択がかえって良かったのではないでしょうか。ただ編集していくと⾃分の演技を⾒ると他のカットが欲しくなり、探しても「ないです」とスタッフから報告されることもありました。ファーストテイクが全てでしたね。俳優としてはもう⼀度やりたい、という⼈ も多いですが、監督をすると中々⾔えませんね。
(イ・ジェフンに対し)主役のチョン·ヘインはシナリオを受け取って快諾した後、イ・ジェフン監督に⻑⽂のメッセージを送 ったそうですが、どんな内容でしたか。
チョン・ヘインがシナリオを読んで「今を⽣きる⼈たちに、寂しくはあるftど⼈々の共感を得ることができる物語ではないか」と⾔ってくれました。いろいろな⾓度から彼の演技を作品に込めたい欲があり、さらに掘り下げて深く探究してみたい、そういった感 情を込められる作品になってほしい、という気持ちがありました。同時に今回出演したほかの俳優たちも、過去に出演した作品とは異なる様⼦を⾒せたかったです。演出としては、俳優たちが演技で⽬⽴つ作品にしたかったです。
◆私にとって『UNFRAMED/アンフレームド』とは
イ・ジェフン︓「新しいスタート」です。企画・制作・脚本・演出と経験できたことは、とてもありがたかったです。新しい発⾒もありました。すぐ にとはいきませんが、映画という世界を夢⾒ながらこれからもずっと続ftていきたい、と思います。どうか⾒守ってください。
チェ・ヒソ︓「贈り物」です。俳優というのはいつも選ばれる側ですが、今回は私が作ったもの・やりたいものをスタッフが選択してくれて⼀緒につくる経験でした。はじめて『バンディー蛍の娘』を観た時に、私にとって、とても⼤きな贈り物だと感じました。また、パク・ソイ が 10-20 年後にこの作品を観た時に、過去からの贈り物と思える作品になってほしいと思います。
ソン・ソック︓「30 代のうちにした最もよい選択」です。20 代は演技(がよい選択でした)、30 代後半になってきたんですftど、この歳で
選択できてよかったと思います。
チェ・ヒソから「わたしもそう思います。10 年前からシナリオを書き、演出は途中で諦めてしまったと聞いていたので。こんなに楽しそうに監督しているのを初めて⾒ましたし、この 4 ⼈の中で⻑編作品に⼀番早く挑戦するのでは、とも思います。」とコメント。
パク・ジョンミン:いろんな意味で「反省」です。20 代はじめに両親にたくさん⼼配をかftながら映像に関する学校に通い、短編映画を撮ろうとしていましたが、当時は何も分かっていなかったんだなと思いました。また、世界中の監督についてやたらあれこれ⾔ってしま った過去、その瞬間を反省します。今回初めて演出を⼿がftてみて気づきました。演出は多くの中から選択しなくてはいftない、責任感が思い、など多くのことを気づかせてくれた経験となりました。
◆ メディア質問1
(パク・ジョンミンに対し)⼦供と⼤⼈の演出で異なる点は︖
⼤⼈の演出をしたことがないので、どう違うかはわからないのですが…。⼦供を演出する際には、わかりやすい単語での指⽰が必要でした。僕が思っていた以上に⼤⼈だな、と感じる場⾯もあり、⼤⼈の⾔葉を理解する⼒も彼らは持っています。ただ⼦供なので集中⼒に⽋ftる部分もありました。テンションをどう維持してあげるか、説明を加えるかを考えるのは楽しかったで す。もし⼤⼈を演出する機会があったら違う⽅法もあるかもしれません。⼦供たちの演出は楽しかったです。
◆ メディア質問2
(ソン・ソックに対し)演出を⼿掛けた作品と主演した作品が同時期に公開されましたがいかがですか︖
まだ映画「ロマンスにかftた恋愛」が上映中なので是⾮⾒てくださいね︕(韓国では 11/24XX より公開中)正直に⾔いますと、、僕が監督した作品が評価を受ftる⽅がいいですね。主演作品も監督作品も(公開されて嬉しい) 気分は同じですftど、監督すると責任感が出てききます。多くの⼈を僕のテーブルに招待した気分になるんです。両⽅ともうまくいってほしいと思います。
◆ メディア質問3
(チェ・ヒソに対し)演出で気を使ったポイントを教えてください
すべてにおいて気を使いましたが、強いて⾔えば⼦供の⽬線から⾒たお⺟さん・太陽の光・⽊々などの⾃然ですね。パク・ソイとは多くの話をして、ディレクションというよりは質問をしました。こういう時はどんなふうに思う︖思い出の詰まったものはどんなふ うに扱う︖のように。そういう質問を投げかftることで、彼⼥が思ったリアルを撮影した感じです。私も演出は初めてなので⽐べ ることはできませんが、今回の作品ではパク・ソイの感じる⽬線で、という点に最も気を使いました。
◆ メディア質問 4
(イ・ジェフンに対し)⻘春の物語ですが、監督が⾃分で経験した内容も⼊っていますか︖
⾃分の経験というより、映画の中で主⼈公が変化するきっかftになる経験はしま。視聴してくださる皆さんにとっても共感でき のか気になります。意⾒があったらぜひ送ってほしいです。(昨年から韓国では株式や仮想通貨がブームになっており、劇中にも登場する点について)お⾦を稼ぎたい、⾦持ちになりたい気持ちはもちろんあります。ただ、これでいいのか、と改めて考 える作品にしたかったのです。もちろん⾃分への⾃戒も含めて。その後、司会から「先ほどパク・ジョンミンさんが「反省」といったときに反応していましたが、何か反省はありますか︖」と投げか ftられたイ・ジェフンは「反省ですね、撮影しながらとっても反省しました。演出とは誰もができるものではありません。反省と共に世の監督たちを尊敬します。」とコメントすると、パク・ジョンミンも「この世に悪い監督はいない」と加勢。韓国の映画監督た ちに短くメッセージを求められた4⼈は、演出を経験したためか次のように述べた。
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