「イベントレポ」パク・ジョンミン、ソン・ソック、チェ・ヒソ、イ・ジェフンが登壇︕韓国映画界注⽬の俳優が初めて脚本・監督を務めるWATCHA 初のオリジナルショートフィルムプロジェクト 『UNFRAMED/アンフレームド』 オンライン制作発表会を開催︕

写真左から
パク・ジョンミン(『空と風と星の詩人〜尹東柱の生涯〜』『地獄が呼んでいる』)
ソン・ソック(『マザー』『最高の離婚』)
チェ・ヒソ(『金子文子と朴烈』『アジアの天使』)
イ・ジェフン(『BLEAK NIGHT 番人』『シグナル』『建築学概論』)

この度、映画好きのための⽉額動画配信サービス「WATCHA(ウォッチャ)」のオリジナルショートフィルムプロジェクト『UNFRAMED/アンフレームド』の制作発表会がオンラインにて開催されました。
オープニングでは、俳優というフレームを超えて新たな可能性を探る 4 ⼈のアーティスト、パク·ジョンミン、ソン·ソック、チェ·ヒ ソ、イ·ジェフンが本プロジェクトに参加した想いを語り、直接メガホンを取って演出を⼿掛ftる彼らの様⼦を収めたティーザー 予告編を上映。
◆ 『UNFRAMED/アンフレームド』プロジェクトに参加した理由・経緯
パク・ジョンミン︓イ・ジェフン監督が電話で連絡をくれて始まりました。20 歳〜21 歳の学⽣時代に演出したことがあるのですが、その後の⼈
⽣でそんな機会はないと思っていたので、とてもありがたかったです。あらかじめ書いていたオリジナルのシナリオを作品としてつく ることができて嬉しかったです。
ソン・ソック︓イ・ジェフン監督の事務所に遊びに⾏った時に、たまたまプロジェクトの話を聞いて⾃然と引き受ftる形になりました。
チェ・ヒソ:私は直接事務所を訪ねたソン・ソックから「こういうのをやるらしい、⼀緒にやらないか」と連絡がありました。『⾦⼦⽂⼦と朴烈(パクヨル)』でイ・ジェフン監督と共演したので直接聞いてみたら、パク・ジョンミンも参加すると聞きました。アベンジャーズみ たいなチームだと思って⼊りたかったです。
イ・ジェフン︓以前から共同運営者でもある制作会社 HARDCUT を通じて様々なプロジェクトを進めていて、俳優が演出した映画を作ってみようと思いました。知り合いの俳優のなかで演出に関⼼がある俳優を集め、こうして作品を発表できたのは嬉しい驚き です。ご⼀緒できた皆さんに⼼から感謝しています。
今回配信される4作品は、今年 10 ⽉に⾏われた釜⼭国映画祭でワールドプレミア上映された。いち早くみた観客からの反響が⼤きかったと聞き、パク・ジョンミンは「今、初めて聞いて驚いています」、ソン・ソックは「上映会の雰囲気がすごくよかっ た。個⼈的に予想していたよりも良く、観客がこういう場⾯を⾯⽩がるんだと発⾒もあった」と嬉しい驚きを隠せない様⼦。イ・ ジェフンは「釜⼭国際映画祭は俳優にとっても夢の舞台で、そこに監督として参加できたのは名誉だと思います。このうえない機会だった」と振り返りました。チェ・ヒソは関係者試写を実施した際に「⾃分の作品を観るときには⼼臓が⾶び出るかと思った。私が監督しなftればこの世に出ていなかった作品だと思うと、俳優として参加した時とはまったく違う、いい緊張感があった」と感慨深げに語り、最近、関係者試写を観たイ・ジェフンは「本当に緊張した。僕がオファーして出てくれた俳優たちにも誇りに思えるいい作品になったのかなと思います。このような場を設ftていただき視聴者の⽅に挨拶できて嬉しい」と喜びを述 べた。



◆ お互いの作品を視聴した感想

パク·ジョンミン⇨ソン・ソック監督『再放送』
「⼼地よい話題が続く作品だと思います。主演・助演ともに素晴らしい演技をしています。この作品を作られた監督はとても 素晴らしい。観ていて気分がよかったです。よもすれば重い感じになってしまう物語だとは思うのですが、ユーモアで繋げてい く、今後も期待できる。驚きの映画でした。」と絶賛。
ソン・ソック⇨チェ・ヒソ監督『バンディー蛍の娘』
具体的な話はネタバレになってしまうのでできない、と前置きした上で「僕が観た感想は、⼦供から⾒たらこうなんだ、という視 点で描かれている部分がいいと思います。パク・ソイの演技を⾒ること⾃体が癒しのようなフィーリングを感じました。」と⾼い評価を受ftる⼦役のパク・ソイに⾔及。
チェ・ヒソ⇨イ・ジェフン監督『ブルーハピネス』
「今 20 代 30 代の⻘春を送っている⼈に共感を⽣む映画だと思います。私は3回観たのですが、⾒れば⾒るほどとてもしっくりくる作品で俳優チョン・ヘインの苦悩や悩みを表す表情が印象的でした。」と繰り返し視聴し作品の魅⼒にはまった様⼦ を語った。
イ・ジェフン⇨パク・ジョンミン監督『学級委員⻑選挙』
「ヒップホップ︕⾯⽩くてリズミカルな作品」と特徴的な劇中⾳楽に触れ、「4作品の中で⼀番楽しくて⾯⽩いと思います。⼩学⽣の学級委員選挙を通して、現代社会を⽣きる⼈を描いた作品ですね」と述べ、司会から「まるで監督したような紹介で すね」との⾔葉にパク・ジョンミンから感謝の⾔葉が。


◆ プロジェクト名にかけて、各作品3つの提⽰されたキーワードを⽤いて内容を深掘り紹介
『学級委員⻑選挙』(パク・ジョンミン監督) #⼩学⽣ #ノアール #マミソン(韓国のラッパー)
3つのキーワードを⾒たパク・ジョンミンからは「⼩学⽣の映画を作りたかったのは事実です。軽快な⾳楽を⼊れたいと思いま した。ただノアールというジャンルを⽬指して制作をしてはいないのですが、結果的に出来上がった作品を⾒ると明るくはないか な、と思います。観る⼈によってはそう感じたかもしれません。⼦供たちの世界を通して⼤⼈たちの世界を描く、という点は意 識しました。教室の中の話だftではなく、実施の⼤⼈の社会でも繰り広げられている話だ、と」と述べた。
⼦供たちの演出については「映画制作の噂で聞いたのですが、⼦供と動物の演出は難しいそうです。元々、⼩学⽣の教室が書きたかったので、アイデアとして 50 歳くらいの⼤⼈たちに⼩学⽣の⾐装を着せて⼦供の気持ちを代弁する、なんてアイデアもありました。ファン・ジョンミンさんにお願いしてみようかまで考えました。結局、⼦供たちに実際に演じてもらうことになりまし たが。主要キャラクターはもちろん、クラスメイトの⼦供達もみんなが参加すること⾃体を楽しんでくれたと思います。彼らのエネ ルギーによって、僕も撮影ができたと感じています。」と。
マミソン(韓国のラッパー/ピンクのゴム⼿袋・⽬出し帽が印象的)が劇中⾳楽を担当したことについて「映画を観た⽅に⼦ 供に対する観念を少し変えたいと思い、純粋ではないこともある、ということを描きたかった。それに対してどういう⾳楽が合うのかを考えて、ビート感やリズム感がある、ある種の肯定を崩す⾳楽が必要でした。シナリオを修正する過程で悩んでいたのですが、そんな時にラジオからイ・ヨンジさんのラップが流れてきて、何かがはじftて、マミソンいうミュージシャンを訪ねることになっ た。ここからシナリオ修正に拍⾞がかかったんです。⾳楽監督がマミソンと聞いて⼦供たちは⼤喜びでした。」と経緯を話した。 司会から以前映画でヒップホップ(ラップ)を愛する⻘年を演じていたこと(『サンセット・イン・ホームタウン』)に触れられ、思わず苦笑する場⾯も。

『再放送』(ソン・ソック監督) #結婚式場 #ごたごた #ロードムービー
物語の着想について聞かれたソン・ソックは「ある結婚式場でおばとおいだな、という⼆⼈を⾒ました。親族や知り合いの結婚 式なのか、そうでないのかはわからないftど、どこか疎外感を感じているようで、ぼーっと⽴っている様⼦が気になったんです。 その⼆⼈が本当にそういう関係かはわかりません。ただその⼆⼈をみて、何か関係性をテーマに作品ができないかと思ったんで す」と⽇常⽣活の些細な場⾯からシナリオに繋がったことを明かした。
俳優の演技があまりにもリアルで本当のおばとおいかと思った、との司会の⾔葉に「本当に演技がうますぎて。元々リアルな演技をする⼈とは知っていましたが驚きました。演技の上⼿い俳優に会うと、監督はその俳優に恋してしまいますね」と振り返っ た。
ロードムービーというキーワードについて「おばの家から結婚式場に⾏く、その過程でたくさんのシチュエーションを盛り込みたかったんです。いろんな予算の制限もあり、最初は⼼配もたくさんありました。ただいろんな場⾯を盛り込みたいと僕は思っていた ので」とのこと。また⺟と⼦の会話劇には⾃分と⺟親の話を参考にしリアルに描いたそう。司会が「登場⼈物が近所にいそうな
⼈ばかりだった」と感想を述べると、ソン・ソックは「まさにそういうことを表現したかったので演技のうまい⼈を探しました」とキャス ティングへのこだわりをのぞかせた。

『バンディー蛍の娘』(チェ・ヒソ監督)#シングルマザー #親友 #秘密の話
チェ・ヒソは⾃らの監督作に⺟親役として出演した。「3 年くらい前に書いていたシナリオです。引き出しの中にしまっていて今回はこれを制作しなftればと思いました。」と語り、⼦役パク・ソイとの再共演について「以前、「ただ、悪より救いたまえ」で同じように⺟娘役で共演しており、この作品を作るのであればパク・ソイとやるべきと思いました。彼⼥が持つ可能性を感じること ができました。またタイでの撮影があったので、海外の地で俳優・スタッフともいっそう親しくなれたと思います。」と信頼した様⼦を⾒せた。また「シングルマザーの話は商業映画としては扱いにくいんですよね、商業映画は派⼿なアクションなど刺激的な 映画の⽅が向いています。ただ、シングルマザーの役を2回連続で演じる機会があり、この関係性をもう少し掘り下げた物語があってもいいな、それは私が書くべき、と思いました。」とシナリオへの⾃負を語りました。
ソン・ソックと共に以前からシナリオを書いていたというチェ・ヒソ。「私はそんなに書いていなかったですが、ソンさんはたくさんかい ていたと思います。去年は会合がありましたね。元はソンさんと知り合いの監督と私と 3 ⼈でした」と明かすと、ソン・ソックは
「10 年くらい前にはじめたと思います。最初はチェ・ヒソさん主演で短編映画を撮ろうと思って準備したftど当時は実現しなかった。それが演出に関するトラウマになりましたね。ぜひ出てほしかった。」
秘密の話というキーワードについてはネタバレを配慮しつつ「映画を観て、初めてこの秘密がわかるようになっています。」と述べ
「あるもの・ひとの不在(この世からなくなってしまうもの)を⼦供にどう説明するか、⾔葉では話せなかったことをどう伝える か、を描いています。吃⾳もある⼦供の⾔葉には⾔葉以外の意味が込められている。また⼦供の視線、というものを⾒せたかったんです」と作品への想いを語りました。

『ブルーハピネス』(イ・ジェフン監督)#現実⻘春 #就活⽣ #夢
キーワードを⾒たイ・ジェフンは「本作を代弁したキーワードそのもの」と納得した様⼦。「プロジェクトを始めて演出するようになったので、シナリオをどういう話をしようか、と考えました。いまを⽣きている⼈たちが何にハマり、何に熱くなっているのか、という 単語をたくさん並べて、そこから物語を組み⽴てました。短編映画なので、膨らみすぎないように⻘春というものを書いてみよ うと思いました。そうして考えた内容が今の若い⼈たちに共感できる内容であればよりいいですね。」と語った。主役にキャステ ィングしたチョン・ヘインについては「誰に頼めば、⻘春の苦悩を代弁できるのかと考えた時、チョン・ヘインしかいないと思いました。彼ならこういう顔をするだろう、こう悩むんだろうとキャスティングを受ftてくれるか未知数だったftど、頭の中では彼を想定し てシナリオを書いていたんです。シナリオを送った後にチョン・ヘインが受ftてくれました。監督にとってキャスティングはとってもドキ ドキしますね。断られるか、受ftてくれるか。本来ならば断られるという苦い経験もするべきでしょうが、今回は僕がお願いした
⼈たちで思った通りのキャスティングできました。運がよかったですね」と監督としての苦労を話してくれた。
ちなみにキャスティングが決まった時点でプロデューサーにすぐ連絡するか︖という問いには、イ・ジェフン、ソン・ソックはすぐ連絡を取るとのこと。ソン・ソックは「キャスティングをお願いして待つ時間はとても⻑く感じた」と⾔い、チェ・ヒソは「⼤事な配役だftど 出番はワンシーンだft、という俳優にシナリオを渡すときはドキドキしました。返信は翌⽇にはいただftたので良かった」、全ての 配役をオーディションで決めたパク・ジョンミンは「僕は待つ感覚は無かったかも」と振り返った。
⻘春というキーワードについて「夢を追っている⼈たちは、挫折や努⼒してはいるftど夢が叶えられない現実を受ft⼊れるのは中々難しい。そんな時、友⼈や知り合いに貰うアドバイスや声かftで変わってくる。そういう経験をした⼈に共感してほしい。」 と語った。

(2ページに続く)

2021.12.07