「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.179「チャ・ウヌの時代劇もいい」

写真=韓国MBC公式サイトより

ドラマ『新米史官ク・ヘリョン』は、シン・セギョンとチャ・ウヌが朝鮮王朝時代のラブロマンスを繰り広げる時代劇だ。特に、チャ・ウヌの韓服姿にウットリしたファンがとても多かった。

年下の王子

『新米史官ク・ヘリョン』はタイトルが示すとおり、女性として最初に採用された史官が主人公となるドラマだ。
この場合の史官というのは、歴史を記録する官僚のこと。特に歴史を大事にした朝鮮王朝では重要視されていた人たちだった。
典型的な儒教社会であり男尊女卑が激しかった朝鮮王朝時代に女性は官職に採用されなかったのだが、時代の要請によって初めて女性の史官が選ばれるようになり、その時に採用されたのがシン・セギョンが演じるク・ヘリョンだった。

こうして『新米史官ク・ヘリョン』は、王宮の中でク・ヘリョンの奮闘ぶりを痛快に描いていくのだが、相手役として年下の王子を演じていたのがチャ・ウヌであった。
彼はどんな役に扮していたのだろうか。
演じていたのは王子のイ・リムである。彼は立派に王位継承権もナンバー2であった。それだけに王宮の中で大切に育てられたはずなのに、実際には複雑な事情があって甘やかされて生きてきたわけではなかった。とはいえ、彼にはもう一つの素顔があった。なんと、恋愛経験のない恋愛小説家だったのだ。この不思議なシチュエーションがドラマの実に愉快なところだった。

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2021.09.04