「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.179「チャ・ウヌの時代劇もいい」

表情の天才

イ・リムは王宮を出て市中で小説の評判を知っておこうと思ったのだが、たまたま居合わせたク・ヘリョンに小説を徹底的にけなされてしまう。
そんな形でイ・リムとク・ヘリョンは最悪な出会いを迎える。これは、よくありがちなパターンだ。
つまり、韓国ドラマでは主人公たちの初対面がお互いに反発を生む場面であることがよくある。そうやって、マイナスから始まった2人が、ドラマが進むにつれてどんどんプラスに導かれていく、というのが本当に多い展開であり、このドラマもその流れを踏襲している。それでも、反発しあう2人が徐々に変わっていくところが面白い。

それにしても、チャ・ウヌの韓服姿は本当に見栄えがいい。
彼は彫刻のような横顔を讃えられて「顔天才」というニックネームを付けられている。そういう「表情の天才ぶり」をこの『新米史官ク・ヘリョン』でもいかんなく発揮している。
時代劇は現代劇以上に立ち居振る舞いが目立つものだが、チャ・ウヌの場合、表情といい立ち姿といい「まさにカンペキ」という言葉が出るほど彼は時代劇に合っていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2021.09.04