アイドルが演技をすると言えば、偏見で眺める視線があった。現在はだいぶ減ったとはいえ、最初から演技ではなくアイドル歌手をしていたが、芸能人の寿命延長の次元で俳優をするのではないかという視線が存在する可能性があるということだ。
それで演技に対する真正性が必要だという。だが、真正性とは抽象的すぎる言葉だ。まず演技を上手にしなければならない。新しいキャラクターに変身しても、深く感情移入できるほどの演技を披露しなければならないということだ。このような条件を“200%満たす”俳優がイ・ジュノだ。「2PM」のメンバーとしてデビューしたジュノは、実力と努力を共に持ったアーティストという印象を受けた。そのような資質は演技をする時もそのまま発揮された。
映画「二十歳」でも良かったが、「キム課長とソ理事~Bravo! Your Life~」「自白」で熱演し、可能性を試しながら、俳優としての地位を固めた。そして「赤い袖先」と「キング・ザ・ランド」で満開した。彼は、側室の宜嬪(ウィビン)を愛する正祖イ・サンを主体的に描き出し、史上最も魅力的な王を誕生させた。
「キング・ザ・ランド」はジュノのファンダムとして見る価値のあるドラマになることもありえた。だが、ジュノは安定した演技で感性を伝え、ファンダムだけでなく普遍的な視聴者層の確保に成功した。繊細な演技力でク・ウォンというキャラクターを見事に生かした。キャラクターに生命力を吹き込んだという言葉の代表的な事例として知られている。