「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.239「大人気の『20世紀のキミ』」

Netflixで配信されている『20世紀のキミ』が人気を博している。キム・ユジョンが演じる高校生のナ・ボラが快活で可愛いキャラ。そんな彼女の30代の姿はハン・ヒョジュが演じていて話題になっている。

画像=Netflix

親友の恋を手助けする

キム・ユジョンが演じるナ・ボラは、どこから見ても典型的な韓国の女子高校生。「ハシが転んでも面白い年ごろ」というのは、まさにナ・ボラのことを言うのだろう……と思えるほどに彼女は短い高校生活を満喫している。
大の親友が、ノ・ユンソが扮するキム・ヨンドゥだ。心臓を患っていてアメリカで手術を受ける予定になっている。
そんなキム・ヨンドゥには熱烈に好きになっている同級生がいる。その事実を知ったナ・ボラは、親友の「意中の人」を徹底的にリサーチして、キム・ヨンドゥがアメリカに行っている間に絶対に朗報を届けようと奮闘努力する。
しかし、大きな勘違いが生じてしまう。キム・ヨンドゥが好きな相手が、イケメンで評判のペク・ヒョンジン(パク・ジョンウ)だと思い、ナ・ボラは彼だけをフォローしていた。その過程で彼女は、ペク・ヒョンジンの親友のプン・ウノ(ピョン・ウソク)に好意を寄せてしまう。高校生ならよくあることだ。でも大丈夫。ナ・ボラは親友の推しとは別なクラスメートを好きになっているので、「恋のダブル・ブッキング」になるわけがないと安心していた。

ヒロインの「その後」

青春時代には「大きな勘違い」がよくあることだ。
手術が終わってアメリカから帰ってきたキム・ヨンドゥからよく聞いてみると、彼女が好きだったのはプン・ウノのほうだったのだ。
完全に「恋のダブル・ブッキング」だ。ここからナ・ボラの苦悩が始まる。
こうした流れになっていく『20世紀のキミ』。高校生活によくある「誤解と和解」が爽やかに描かれた映画だ。
傑作ドラマ『二十五、二十一』のように、ヒロインの「その後」が描かれていて、30代になったナ・ボラをハン・ヒョジュが演じている。彼女は、成長して大人の女性になったナ・ボラに扮して、自然体の演技を見せてくれた。
また、ピョン・ウソクとパク・ジョンウも違和感なく高校生を演じ、爽やかな雰囲気を出していてとても良かった。
魅力的な俳優が揃った『20世紀のキミ』。大人気になるのも当然と思える映画だった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2022.10.29