写真=植村誠 燕山君は、9代王の成宗(ソンジョン)の長男として1476年に生まれた。彼は母の愛を知らず我がままに育った。実は、母の斉献(チェホン)王后は、自分以外の側室に目を向ける成宗に嫉妬して、宮中に呪いの言葉を持ちこんで追放されていたのである。 少年時代も最悪 自尊心があまりに強かった斉献王后は…
朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)が愛した女性の中に、淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)という人物がいた。ドラマ『トンイ』では、女優のハン・ヒョジュが彼女を演じていたが、史実ではどのような人物だったのだろうか。 王宮の下働きだった女性 淑嬪・崔氏と張禧嬪は、粛宗から愛されたという意味ではライバル関係と…
ドラマ『王女の男』で、女優のホン・スヒョンが演じたことで広く知られるようになった敬恵(キョンヘ)王女。ドラマの中で描かれた彼女の境遇は、天国から地獄に落ちたような感じだったが、実際はどんな人生を歩んだのだろうか。 姉として端宗を見守る 敬恵王女が生まれた1435年は、4代王・世宗(セジョン)が統治す…
1637年1月、朝鮮王朝は大軍で攻めてきた清に敗北し、16代王・仁祖(インジョ)は清の皇帝の前で土下座のように謝罪した。史上最悪の屈辱で、以後も朝鮮王朝は清に服従を強いられた。 人質となった王子たち 朝鮮王朝は清に莫大な賠償金を取られた。そればかりではなく、仁祖の3人の息子が清の人質となって瀋陽(し…
写真=植村誠 朝鮮王朝で悪女と呼ばれた女性は何人もいるが、それぞれに悪女にならざるをえない事情を抱えていた。しかし、張緑水(チャン・ノクス)は別だ。彼女は王の側室になり、強欲なまま悪事に手を染めていった。 年齢より若く見られた張緑水 貧しい家庭に生まれた張緑水。極貧の少女時代を送ったが、やがて斉安大…
ソウル中心部にある世宗の銅像 朝鮮半島では、15世紀になっても公式に採用されている文字は漢字だけで、人々が話す言葉を正確に表記することは難しかった。加えて、教育を受ける機会があまりない庶民は、難しい漢字を使いこなすことがなかなかできなかった。つまり、漢字を熟知する特権階級だけが文字を縦横に使いこなし…
写真=植村誠 鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)の人生を振り返ってみると、低い身分から何が何でも抜け出てやろう、という悲壮なまでの覚悟が見えてくる。鄭蘭貞の母は奴婢(ぬひ)だったために、普通なら鄭蘭貞も同じ境遇で生きなければならなかったのだが、彼女は自ら妓生(キセン)となって人生の上昇気流に…
「朝鮮王朝3大悪女」の1人して有名な張禧嬪(チャン・ヒビン)。粛宗(スクチョン)の統治する時代に生きた彼女が、いったい何を理由に悪女と呼ばれるようになったのだろうか。 張禧嬪という人物 粛宗と張禧嬪が出会ったのは1680年である。彼女は、親戚が通訳官だったため、女官として宮中に出入りし…
写真=植村誠 [仁祖(インジョ)の人物データ] 仁祖の生没年/1595~1649年 仁祖の在位期間/1623~1649年 仁祖の父/定遠君(チョンウォングン) 仁祖の母/具(ク)氏 骨肉の争い 朝鮮王朝の14代王・宣祖(ソンジョ)は1567年に15歳で即位した。1592年には豊臣軍によ…
朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)と側室の叔嬪・崔氏(スクビン・チェシ)との間に生まれた21代王・英祖(ヨンジョ)は、在位中に人事問題で大きな功績を上げたのだが……。 英祖の誕生 1720年に朝鮮王朝19代王・粛宗が亡くなった。その後を継いだのは、朝鮮王朝3大悪女の1人である張禧嬪(…