『新版 知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』(康熙奉(カン・ヒボン)著、実業之日本社発行、1000円+税、2021年9月6日発売) 俗に「朝鮮王朝3大悪女」という呼び方がある。10代王・燕山君(ヨンサングン)をそそのかして暴政の片棒をかついだ側室の張緑水(チャン・ノクス)、宮中の女官として悪行…
7代王・世祖(セジョ)がまだ王子時代だった1428年に彼と結婚した貞熹(チョンヒ)王后(1418-1483年)。本来は次男で王位に縁がないはずの夫が1455年に甥から王位を奪い、その結果、貞熹王后も王妃になることができた。 3歳では無理 王妃は朝鮮王朝で「国母(クンモ)」と呼ばれた。 女性の最高位で…
1414年、文宗(ムンジョン)は4代王・世宗(セジョン)の長男として生まれた。頭が良く学問を好んでいた。しかし、病弱だったことが彼の夫婦生活に影響を及ぼしていた。そんな文宗には3人の妻がいた。 2人の正室の惨めな死 文宗が最初に妻として迎えたのは金氏(キムシ)という女性だった。彼女には「早く子供が欲…
『王女の男』に登場した貞熹王后 朝鮮王朝では国王が最高権力者だが、その国王ですら恐れたのが「鬼嫁」に該当する王妃や世子嬪(セジャビン/次代の王妃)である。それは、神懿(シンイ)王后、貞熹(チョンヒ)王后、廃妃・尹氏(ユンシ)、明聖(ミョンソン)王后、恵慶宮(ヘギョングン)の5人だ。 国王を身震いさせ…
ハングルを作ったことで有名な4代王・世宗(セジョン)。その彼を支えたのが妻の昭憲(ソホン)王后(1395-1446年)である。彼女が王妃になったことで実家が大いに繁栄したが、その後、まるで奈落の底に落ちたかのように地獄の人生を過ごした。 他の女性のお手本 昭憲王后が3代王・太宗(テジョ…
1392年に朝鮮王朝を建国した太祖(テジョ)の五男である芳遠(バンウォン)は、1400年に3代王の太宗(テジョン)となった。その彼を妻として支えたのが元敬王后(ウォンギョン)王后(1365-1420年)だが、その生活は、夫婦円満というわけにはいかなかった。 夫婦仲は冷めきった 1382年に芳遠と元敬…
朝鮮王朝の27の王たちを支えたのが、王妃や側室である。彼女たちは、韓国時代劇のもう1人の主役と言ってもいいだろう。王妃や側室となった女性たちの人物像と歩んだ道をたどってみたい。 大事な後継者選び 1392年に朝鮮王朝を開いた太祖(テジョ/李成桂〔イ・ソンゲ〕)は2人の王妃を迎え、8人の…
『新版 知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著、実業之日本社発行、1000円+税、2021年9月6日発売) 韓国時代劇には傑作が多い。そして、あんなにもドラマが面白い理由の1つ目は、歴史的な題材に恵まれているということだ。たとえば、韓国時代劇は朝鮮王朝を舞…
『オクニョ 運命の女(ひと)』のメガホンを取ったイ・ビョンフン監督は、時代劇の巨匠だけあって、「朝鮮王朝実録」のことを本当によく調べている。そうした結果が『宮廷女官 チャングムの誓い』という傑作を生んだのだ。当然ながら、『オクニョ 運命の女(ひと)』にも「朝鮮王朝実録」のエッセンスがよく生かされてい…
ドラマ『オクニョ 運命の女(ひと)』では、文定(ムンジョン)大妃(テビ)が重要な役で登場する。この大妃とは、自分が産んだ王子が王になったときの尊称だった。 42人の王妃がいた まずは、王妃から見てみよう。 朝鮮王朝時代の夫婦制度は、一夫一婦制だった。 この制度を王家もしっかり守っていて、王といえども…