1688年10月27日、一介の女官から粛宗(スクチョン)の側室になっていた張禧嬪(チャン・ヒビン)が王子を出産した。それが、後の20代王・景宗(キョンジョン)である。粛宗にとっては、27歳になって初めての息子だった。彼の喜びも尋常ではなかった。 反対する重臣たち 粛宗は生まれたばかりの…
『王女の男』に登場した貞熹王后 朝鮮王朝では国王が最高権力者だが、その国王ですら恐れたのが「鬼嫁」に該当する王妃や世子嬪(セジャビン/次代の王妃)である。それは、神懿(シンイ)王后、貞熹(チョンヒ)王后、廃妃・尹氏(ユンシ)氏、明聖(ミョンソン)王后、恵慶宮(ヘギョングン)の5人だ。 …
英祖(ヨンジョ)が朝鮮王朝の21代王として即位したのは1724年だ。彼は蕩平策(タンピョンチェク)という政策を採用した。これは各派閥から有能な人材を採用する政策で、それによって激しかった党争を抑えることができた。 政治的な業績 英祖は、国防の強化や苛酷な刑罰の禁止、減税や庶民の官吏採用…
韓国時代劇によく取り上げられる「朝鮮王朝三大悪女」と言えば、それは張緑水(チャン・ノクス)と鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)と張禧嬪(チャン・ヒビン)のことだ。極端な形で歴史に名を残した彼女たちだが、その最期はとても惨めなものだった。 庶民に憎まれた悪女 張緑水は、10代王・燕山君(ヨンサングン)の側室…
パク・ボゴムが扮しているイ・ヨンという世子(セジャ/国王の正式な後継者)。彼のモデルは孝明(ヒョミョン)世子である。23代王・純祖(スンジョ)と正室の純元(スヌォン)王后の長男として1809年に生まれ、幼い頃から頭脳明晰で容姿も優れていたのだが……。 それぞれに実在した人物たち 『雲が描いた月明り』…
20代王の景宗(キョンジョン)は1724年に亡くなり、異母弟が後を継いで21代王・英祖(ヨンジョ)となった。このとき、「英祖が兄を毒殺したのではないか」という噂が出て、国中が大騒動に巻き込まれた。その噂には根拠があった。 英祖は粛宗に似ていなかった 景宗が病床に臥せっているとき、主治医が「いけません…
韓流時代劇の四つの特徴について考えてみましょう。一番目の特徴は、主人公がいじらしいほど一途に頑張るということです。韓流時代劇の巨匠と称されるイ・ビョンフン監督の作品は特にこの傾向が強く、その基本方針がストーリーの全編を飾っています。 厳しい身分制度 「主人公が一途に頑張って最後は成功に…
韓国時代劇『華政(ファジョン)』では、綾陽君(ヌンヤングン)が光海君(クァンヘグン)を廃位にして仁祖(インジョ)として即位すると、ことごとく貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)と争っている。果たして、史実ではどうだったのか。 貞明公主を優遇した仁祖 1623年にクーデターを成功させて16代王になった…
韓国時代劇『華政(ファジョン)』の主人公になっている貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)。彼女は歴史的に「まれなほどの大地主になった王女」として知られる。どのようにして、貞明公主は広大な土地を所有することになったのだろうか。 晴れて自由になれる日 貞明公主は、14代王・宣祖(ソンジョ)…
朝鮮王朝の歴史の中で特に有名な高官といえば、鄭道伝(チョン・ドジョン)、金宗瑞(キム・ジョンソ)、成三問(ソン・サムムン)、趙光祖(チョ・グァンジョ)、朴文秀(パク・ムンス)の5人である。その人物像を見てみよう。 時代劇にも登場した3人 ◆鄭道伝(チョン・ドジョン) 〔1342~139…