ドラマ『イ・サン』は、冒頭で父親の思悼(サド)世子が米びつに閉じ込められて餓死する場面が描かれていた。これは、「時代劇の巨匠」と言われるイ・ビョンフン監督の典型的な手法だ。歴史的な重大事件を最初に描いて主人公の人生が大いに左右されるという導入部は、イ・ビョンフン監督が一番好きなスタートなのである。 …
ドラマ『華政(ファジョン)』の脚本を書いたのは、『イ・サン』『トンイ』という大ヒット作品を生んだキム・イヨンである。人気脚本家の彼女は『華政』では2人の国王の人物像を見事に対比させていた。 対照的な2人の国王 『華政』の主人公は貞明(チョンミョン)公主(コンジュ)だ。 彼女は、14代王…
それは、1762年5月22日のことだった。思悼世子に仕えていた官僚の羅景彦(ナ・ギョンオン)が「世子が謀反をたくらんでいます」と告発してきたのだ。王宮の中が大騒ぎとなった。 謝罪を繰り返した思悼世子 英祖は思悼世子に向かって怒鳴った。 「お前は本当に、側室を殺したり、宮中を抜け出して遊…
光海君(クァンヘグン)は1623年にクーデターで廃位となりましたので、暴君というイメージが付いてまわりました。しかし、歴史研究が進む中で、暴君どころか逆に政治的な業績が多い王であったという評価が出ています。 巧みな戦術 光海君は外交が卓越していました。 彼は1608年に即位しますが、統…
朝鮮王朝でも特に有名な三大悪女といえば、張緑水(チャン・ノクス)、鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)、張禧嬪(チャン・ヒビン)の3人だ。彼女たちはどんな手段を使って高い地位を得ていったのだろうか。 国家の富を私物化! 張緑水(チャン・ノクス)は、極貧の中で育った。あまりの貧しさに、身体を売っ…
朝鮮王朝の27人の王の中で、在位期間が一番短かったのは12代王・仁宗(インジョン)の8カ月。逆に、一番長かったのは52年間も王位に就いていた21代王・英祖(ヨンジョ)である。80歳を過ぎても王の座に就いていたのは彼しかいない。 悲惨な出来事 英祖といえば、1762年の大事件が有名である。 それは、次…
朝鮮王朝三大悪女と呼ばれているのは、燕山君(ヨンサングン)の側室だった張緑水(チャン・ノクス)、巨悪の文定(ムンジョン)王后の手先だった鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)、そして、張禧嬪(チャン・ヒビン)である。果たして、張禧嬪は本当に悪女だったのだろうか。 側室から王妃になった! 19代王…
世宗(セジョン)や正祖(チョンジョ)のように名君としてあまりに有名な国王がいれば、その反対に、民衆からさげすまれた国王もいる。特に評判が悪かった5人の国王を取り上げてみよう。 民衆が嫌悪した3人の国王 ◆世祖(セジョ) 〔1417~1468年〕 7代王。在位は1455~1468年。首陽大君(スヤンデ…
1623年にクーデターを成功させて15代王・光海君(クァンヘグン)を廃位させた綾陽君(ヌンヤングン)。彼はすぐに16代王・仁祖(インジョ)として即位した。しかし、彼の在位中は苦労の連続だった。 他に例がない 仁祖といえば、歴史的には「何度も王宮から逃げ出した国王」という汚名が残ってしまっている。 彼…
『オクニョ 運命の女(ひと)』の登場人物の中で、実在した重要人物は文定(ムンジョン)王后、尹元衡(ユン・ウォニョン)、鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)、明宗(ミョンジョン)といった面々だ。歴史的にはどんな人物だったのか。 悪の女帝 『オクニョ』に登場する歴史的人物の中で一番強烈なのが文定王后だ。 この文…