朝鮮王朝では未成年の王が即位した場合、王族最長老の女性が代理で政治を仕切ることになっていた。そういうときこそ、政治が大いに乱れた。腐敗政治の元凶になった3人の大妃(テビ/王の母)を取り上げてみよう。 本当の巨悪とは? 朝鮮王朝の悪女というと、よく「三大悪女」が話題になる。その3人とは、…
『オクニョ 運命の女(ひと)』ではチョン・ジュノが尹元衡(ユン・ウォニョン)を演じた 朝鮮王朝の政治の世界では、多くの悪人が暗躍していた。それは、韓国時代劇が描くとおりだ。その中で家族がこぞって悪人だったのが、文定(ムンジョン)王后と尹元衡(ユン・ウォニョン)と鄭蘭貞(チョン・ナンジョ…
14代王・宣祖(ソンジョ)の正妻は懿仁(ウィイン)王后だったが、病弱で子供がいなかった。こうなると、側室が産んだ王子の中から後継者を選ばなければならない。そのとき、宣祖はどんな選択をしたのだろうか。 血に塗られた歴史 宣祖の後継者候補の筆頭は、宣祖の長男・臨海君(イメグン)だった。彼は…
自分より8歳も若い女性が母となったら、どんなふうに接したらいいのだろうか。そんな難題が生じて、光海君(クァンヘグン)の正室の柳氏(ユシ)はほとほと困惑してしまった。きっかけは、14代王・宣祖(ソンジョ)の再婚だった。 柳氏一族の没落 宣祖は、正妻の懿仁(ウィイン)王后が1600年に亡く…
朝鮮王朝の歴史を見てみると、将来は国王になれたのに兄弟に殺されてしまった王子が5人もいた。それは果たして誰なのか。やはり、国王の座をめぐる「骨肉の争い」が背景にあるのだ。 弟2人を殺した兄 最初に取り上げるのは李芳碵(イ・バンソク)だ。 朝鮮王朝を建国した初代王・太祖(テジョ)の八男で…
朝鮮王朝の11代王だった中宗(チュンジョン)は1488年に生まれた。父は9代王・成宗(ソンジョン)で、母は貞顕(チョンヒョン)王后だった。中宗は『宮廷女官 チャングムの誓い』でもおなじみの国王である。 赤いチマ岩の伝説 ◆中宗は、王子の時代に晋城大君(チンソンデグン)と呼ばれていた。暴…
「時代劇の巨匠」と称されるイ・ビョンフン監督が演出した『イ・サン』。このドラマではイ・ソジンがとても素晴らしい演技を披露したが、その相手役になったのがハン・ジミンだった。彼女が演じたソンヨンの実在のモデルとは? 4人の側室 イ・サンこと正祖(チョンジョ)の正室は孝懿(ヒョイ)王后である。 彼女は謙虚…
パク・ボゴムとキム・ユジョンが主演した『雲が描いた月明り』は、韓国では2016年8月22日から10月18日までKBSで放送された。その初放送から4年が経過したが、未だに多くの視聴者を獲得して人気を維持している。 歴史的な背景は? 朝鮮王朝23代王・純祖(スンジョ)の時代を舞台に、宮中の陰謀や恋模様を…
甥の端宗(タンジョン)から王位を奪った世祖は、自分が王位に就くために政権内部を血で染めた。どんなに繕(つくろ)っても、彼の行為を正当化することはできないだろう。しかし、民の側から見れば、世祖はものわかりがいい王だった。民が不満を政府に上訴しやすい制度を整えたことがその典型例である。 夢の中での罵倒 …
仁粋(インス)大妃は、もともと、7代王・世祖(セジョ)の長男・懿敬(ウィギョン)の正妻である。懿敬は世子(セジャ/王の後継者)だったので、仁粋大妃も本来なら王妃になるはずだったのだが、懿敬が19歳で夭逝したために、それは叶わなかった。 垂簾聴政の指南役 王妃になれなかった仁粋大妃。しか…