「インタビュー」ソ・イングク、この男が耐えた俳優という“重さ”

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オーディション番組から芸能界の門をたたいたソ・イングク。彼が地上波やケーブル放送そしてスクリーンまで幅広い活動をするスターになるとは、7年前には誰も想像することができなかった。ちょっと歌がうまくて顔の整った歌手だと思っていたら、いつの間にか「演技をしていなかったらどうなっていたんだろう」と思うくらいに俳優という“服”を着て悠々と羽ばたいている。

ソ・イングクの演技人生の始まりは2012年にさかのぼる。デビュー作となるKBSドラマ「ラブレイン」では低調な視聴率であったが、自然で存在感のある演技で俳優としての可能性を見せた。2作目となるtvNドラマ「応答せよ1997」で俳優として確固たるものを築いた。MBCドラマ「マイ・ラブリー・ブラザーズ」では、より深い演技を見せ、SBSドラマ「主君の太陽」では熱演が実を結び、2013年のSBS演技大賞で「ニュースター賞」を受賞した。昨年のtvNドラマ「高校世渡り王」では異質感なく1人2役を見事にこなして俳優としての実力を固め、映画「君に泳げ!」でスクリーンへと活動の領域を広げた。

そしてさらなる挑戦に出た。最近韓国で放送が終了したKBSドラマ「王の顔」は、ソ・イングクが演技を始めて2年で得た地上波放送での初の主演作であり、初挑戦となる時代劇だった。放送前から盗作騒動が起こり、始まりから雑音が絶えなかったが、ソ・イングクは全てのプレッシャーを払い落として“ソ・イングクなりの時代劇”を作り上げた。俳優としてまた一つの山を越えてトップの価値を立証したソ・イングクに話を聞いた。

―ドラマ「王の顔」の撮影中に3回ほど事故に遭ったそうですが、鼻の傷はその時のものですか?
(笑)はい。まだ傷跡が残っているでしょう?追撃シーンが多かったので、けがもたくさんありました。それと冬の時代劇は、特に大変ですね。木靴を履くのですが、本当によく滑るんですよ。すごく寒いので体も凍り付いていて、少し足を踏み外しただけでも危ないんです。撮影中にみんなで「昔の人はどうやって暮らしていたのだろうか」と驚いたくらいです。

―セリフの量がとにかく多かったと思いますが、あの大量のセリフを吸収する秘訣は何ですか?
セリフを覚えているうちに要領がわかってきます。「高校世渡り王」のような現代劇では、ただ言葉を覚えるだけなので、セリフが多くても早く覚えられます。だけど時代劇のような長文は本当に簡単なものではありませんでした。それでも熱心に徹夜して覚えました。本当に多かったでしょう?ドラマが終わる時に脚本家の先生が僕に謝りました(笑)。

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―涙のシーンも多かったですね。感情がコントロールできないくらい大変だったシーンなどありますか?
ガヒ(チョ・ユンヒ)が死んだと思って泣くシーンがあったのですが、その時は本当にたくさん泣いてしまいましたね。それとイ・ソンジェさんによく助けていただきました。僕が感情を出せるように、出演しないシーンでも横に来て演じてくださったんです。

―現場でけがをした時もつらそうな顔一つせず、むしろ周りを心配するほどで、現場のムードメーカーだとスタッフが賞賛していました。視聴率へのストレスやプレッシャーはありませんでしたか?
視聴率を気にしなかったと言ったらウソですよね。だけどそれで物怖じした姿を見せたら、スタッフも憂うつになって現場の雰囲気が全体的に暗くなるじゃないですか。いい雰囲気を作って引っ張っていくのが主役の責任だと思っています。だから視聴率を考えずに、いつも現場では明るい姿を見せるようにしました。車の中ではつらい顔をしても、現場ではそうしないようにしようと自ら心がけていた部分でもあります。

―1人で10代から30代まで表現するのは難しそうですが、キャラクター分析はどのようにしたのですか?
まずは監督に相談してキャラクターを作っていったのですが、最後は俳優がやるべきことだと思います。10代から30代までの光海君(クァンヘグン)を表現するために、自分でたくさん勉強して分析しました。10代は顔がパンパンじゃないですか。そんな姿を見せたくて、たくさん食べました。話し方も軽くしました。戦乱後には、一層成熟した姿を見せたくて、目つきや話し方、ジェスチャーや歩き方まで全て変えました。強いながらも余裕が感じられる話し方に変えて、声のトーンも暗くして、少年ではなく男の重々しい姿を見せるために努力しました。

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―オーディション番組「スーパースターK」が排出した歴代スターの中から最高を選ぶアンケートで1位を獲得していましたが、気分はどうですか?
本当にありがたいです。僕を認めてくださるということですもんね。それに僕がその期待に失望させていたら、多くの人が背を向けていたと思います。僕はまだ皆さんに背を向けられていなかったんだと信じています。そんなすばらしい修飾語を聞くたびに活動の原動力になり、力がわいてくる気がします。

―日本では着実にCDを発売していますが、韓国では歌手よりも俳優の活動の方が多いようですね。歌手としての韓国での活動の計画はありますか?
これからは自分で曲を書いて作詞をして、僕の話をしたいと思っています。時機を見てアルバムを出すのではなく、僕が聞かせたい曲がある時にアルバムを出したいですね。

WOW!korea提供

2015.04.12

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