イム・スジョンといえば、芸能界きっての童顔女優なので、年齢不詳なところがあるが、今年でデビュー20周年を迎える演技派だ。わりとサバサバしていて、4年前「新西遊記」でミノが間違えたシーンを見たそうだが、「でも、ほとんど合っていたじゃないですか。イ・スジョン」といたってクールだ。
絵を描くどころか、目も合わせられないと恐縮するミノに「私の方が光栄ですよ」というイム・スジョンはオファーが来たとき、あまりにも突然すぎて、静かに暮らしているのに、なぜ自分なんだろうと思ったそうだが、普段から美術に興味があり、“作家ソン・ミノ”の姿を見たいと思ったことから、オファーを受けたと正直に語っていた。
また、ミノと同じくイム・スジョンも人見知りをするタイプだそうだが、お互いを知る時間を設けるため、2人きりにすると言われると、「写真を撮って帰ったらダメですか?」とイム・スジョン。「ちょっとお腹が空いてきたんですけど。さっき(ドアの外で)待ちながら、お腹が空いてきたなと思っていたら、また(ミノが)イ・スジョンって言ってるなと思って(笑)」と話が止まらず、お茶目な姿も。恥ずかしそうにするミノに、気になることを積極的に質問するなど、終始リードしたおかげで、徐々に2人の距離感が縮まっていった。
ミノがイム・スジョンを「カッコいい」と表現していたが、キュートさとカッコよさを持ちあわせた大人の女優という印象だ。そんなイム・スジョンが、ソン画伯にオーダーした絵は「目鼻口はなくてもいいけれど、前髪は描いてほしい」だった。そして、来る前に買ってきたという自分の一番好きなヒマワリをミノにプレゼントし、作業部屋を後にした。
後日、ミノが仕上げた絵はYouTubeチャンネル「チャンネル十五夜」のフルバージョンで公開された。絵と会話をするように仕上げていったというミノの作品がイム・スジョンに届けられ、この絵を見たイム・スジョンは美しく表現してくれたと感動。まだ到達できていない何かの姿を見ているようだとし、絵のように内面の何かが開き始めるもっと素晴らしいカッコいい女性、女優になれるよう努力していきたいと語っていた。
ミノの完成した作品を見ると、なんとなく冗談ぽく始まった企画だが、終わってみると、バラエティという枠には収まらない壮大な企画だった。