「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.155「韓国で風呂に入りたい」

新型コロナの影響によって、長く韓国に行けない人も多いことだろう。「行きたいのに行けない」というストレスを感じてしまうが、もしまた韓国に行くことがあったら、サウナでアカスリをぜひやってみたい。

イタリアタオル
韓国に行ったときに、よくサウナに行くのだが、そのときに友人がアカスリをやってくれる。
もちろん、アカスリにはからだのアカを落とすとともに、血液の流れをよくする効果があり、韓国人なら誰もが小さい頃から親しんでいる。
友人もアカスリを自分でやるのが得意で、私にも背中を丹念にアカスリしてくれる。この手つきが絶妙で、普通のオジサンなのだが、思わず「アカスリの名人」と呼びたくなってしまう。
ちなみに、友人はアカスリで使うタオルを「イタリアタオル」と呼んでいた。
イタリアタオル?
そのネーミングが奇妙なので友人に聞いてみると、「イタリアは古代ローマ時代に共同浴場があったことでも有名。そんなイメージからイタリアタオルという名前が韓国で独自に生まれたんじゃないか」と言っていた。
かくして、私は友人が巧みに駆使するイタリアタオルによって、最高に気分がいいアカスリを味わうことができるのだ。

サウナが混む時間帯

韓国では、通常はシャワーだけで済ませて湯船を使わない人が多い。
たとえば、知り合いのマンションを訪ねると、バスルームの湯船が物置になってしまっているケースを何度も見ている。それだけで、住人がシャワーだけ使って湯船を使っていないことを端的に証明していた。
日本では考えられないことだろう。
しかし、韓国では湯船につかることに執着していない人が結構いるのだ。
韓国ドラマを見ていても、外出から帰宅した登場人物が浴室に入っても、シャワーだけで済ませていることが言葉からうかがえる。このあたりも日本とは明らかに違う。
それでも、最近は湯船にしっかりつかることが好きな韓国人も増えてきた。そういう人たちは特にサウナに出かけていくので、年々サウナが隆盛をきわめている。
ただし、私の実感としては、韓国の人は午前中の風呂を大いに好むようだ。それは、風呂で身体をリフレッシュしてから、その一日を大いに活性化させようと思っているからだ。つまり、一日の疲れを夜に風呂で取ろうという人は意外に少なく、風呂は元気になるための手段なのである。
かくして、韓国のサウナは朝が一番活気があったりする。このあたりも日本との大きな違いだ。

文=康熙奉(カン・ヒボン)

2021.03.21