そんないまのチュ・ジフンがあるのは、高校生のころ、家族ぐるみの付き合いをしていたピアノ教室の院長から、「モデルになる気はないか?」と勧められたのがきっかけだった。友達がプロフィール写真を出版社やアパレルメーカーに送ったのが目に留まり、モデルとして活動するようになったのが始まりだという。
俳優デビュー当時を振り返り、デビュー作「宮~Love in Palace」では撮影が始まって8カ月ぐらい、監督からずっとダメ出しをされ、現場に行くたびに、「きょうはどれだけ叱られたら一日が終わるのか」と思っていたという苦労話も明かしたチュ・ジフン。ドラマは大ヒットし、ツンデレ皇太子もハマり役で、彼が一気に大ブレイクした作品だったので、裏にそんな苦労があったとは意外だった。
そして、チュ・ジフンが演技力を認められたドラマ「魔王」では、台本リーディングのとき、自分の机の上だけが汗だらけになるほど、何度もやり直しをさせられ、監督から「現場でそんな演技をしていたらダメだ」としぼられたが、撮影初日に監督から「何かあったのか? なんでそんなに上手くなったんだ?」と褒められ、2万ウォンの小遣いをもらったというエピソードも。
また、インターネットでチュ・ジフンを検索すると、「善と悪が共存するヤヌスのような魅力」と出てくることについて、本人は左右の目が違うからだと分析。冷ややかに見えるのが一重の右目で、柔らかく見えるのが奥二重の左目なので、監督がシーンによってカメラのアングルを変えるとか。俳優の条件として、「左右の目が違う」、「背が高い」、「肌が浅黒い」人はできないと言われるが、チュ・ジフンはこの3つがあったからデビューできたとし、俳優を夢見る後輩たちに希望を与えた。
さらに、普段から仲の良い先輩俳優チョン・ウソンの話も。もちろん、この番組にチョン・ウソンが出演した回を見たが、自分が出ることは言わなかったそうだ。一緒にお酒を飲むと、チョン・ウソンはおつまみを食べず、お酒だけを飲むので、家に行っても食べるものが何もなく、ホテルみたいだと。そして、飲みながら、何か机だったりずっと拭いたりしているという癖も暴露したほか、チョン・ウソンの仕草をマネして見せるユーモアセンスも発揮した。
もうすぐ40代を迎えるにあたり、「いまも18歳のときと気持ちは同じで、自分はそのままなのに、周りの環境が変化しているので、それにどう適応したらいいか考えている」とし、体力をつけたいと話すなど、率直にいろいろ語ったチュ・ジフン。この地位に上がるため、諦めたことについて「思う存分恋愛ができなかったこと。恋人もそうだし、両親ともなかなか気軽に旅行ができなかったこと」と話していたのも印象的だった。
失ったものはあるけれど、それを少しずつ補っていこうと前向きに考えているとし、両親と妹と家族写真も撮りたいと話すなど、柔らかい笑顔を見せた。話も面白いし、余裕も感じられ、いい歳の重ね方をしているのが感じられた。